胃がんの基礎知識

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胃がんの基礎知識記事一覧

胃がんが発生しやすい部分は、幽門や幽門前庭部などの胃の入り口に近いところです。胃がんの症状は、がんの発生した場所や種類、病状の進行状況などによっても個人差が多く現れます。胃がんは日本人のがん罹患数がもっとも多いですが、一方で「治りやすいがん」ともいわれており、早期に発見された場合は、治療をすれば9割以上で治るという報告がされています。しかし、症状がかなり進行した状態で発見されれば、厳しい状況になる...

胃がんは発症から大きくなるまでに時間がかかるため、定期的に検査を受けていれば初期のうちに発見することができます。なんらかの症状がある場合には、内視鏡検査からはじめることもありますが、基本的には、胃がんの検査は目的別に分けられています。集団検診などでは、エックス線検査で胃に異常がないかを調べることが多いです。上部消化管エックス線検査集団検診で胃に異常がある人を見つけ出すために実施されます。この検査で...

がんが発生するしくみについて、簡単な流れを紹介していきましょう。がん細胞ももともとは正常な細胞です。しかし、遺伝子のプログラムに突然変異が生じて、死滅しないで増殖をくり返すようになった異常な細胞が「がん」と呼ばれるものです。がんには、体のいろいろなところに飛び火して、栄養分を吸収して増殖するという厄介な性質があります。これを「転移」といいます。突然変異のきっかけは、正常な細胞の遺伝子が傷つけられる...

ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)とは、1983年にヒト胃粘膜の中に存在することが発表された細菌です。胃の内部は強酸性であるため、従来は細菌が生息できないと考えられていましたが、ピロリ菌の発見によってくつがえりました。最近の研究によると、ピロリ菌による細菌感染が、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃がんの原因になると考えられるようになっています。その理由は以下の通りです。ピロリ菌が胃粘膜に作用...

食べたものが食道を通じて運ばれるのが胃です。この胃にはどのような機能があるのでしょうか。胃がんの手術を受けた人は、よく胃を切除されたというはなしを耳にしたこともあるかと思います。症状の進行具合によっては、胃がんの治療の際には、胃の切除が必要になることもあります。胃は消化器官のひとつであり、切除によって日常生活に支障が出ないか不安になることもあるかもしれません。しかし、幸いにも大きなダメージは受けな...

他のがんにもいくつかの種類がありますが、胃がんにもその状態によっていくつか大別されています。がんのタイプをはかる観点には、がんの深達度、形状、組織の特徴などがありますが、治療をスムーズにすすめるためによく調べていきます。胃がんの場合、胃壁のどこまでがんが到達しているかにより、「早期胃がん」と「進行胃がん」に分けられています。胃壁は内部の層から、粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜という順番に...

転移とは、がんが発生した部位(原発巣)からはなれたところに飛び火して、そこで新たな病巣をつくって増殖をはじめるものです(転移巣)。正常な組織をどんどん破壊してしまうので非常にやっかいです。胃がんの転移の場合は、ほとんどが腹部に集中しています。起こりやすい転移は主に3つあり、もっとも多いのがリンパ節転移です。リンパ節転移は早期の段階から起こりやすくなっています。進行胃がんでは、血行性転移や腹膜転移が...

治療方針を決めるためには、胃がんのステージを把握することが必要になります。ステージとは、「病期」や「進行度」ともいい、がんの進み具合を表したものです。当然ながら、がんがあまり進行していない早期の段階のステージであれば、それだけ治る確率も高くなります。胃がんのステージは、がんが胃壁のどこまで進行しているか転移がどこまですすんでいるかの2つの観点から決められます。がんの深さ(深達度)がんの深さは、T1...

スキルスとは「硬くなる」という意味で、強い線維化により胃壁全体が硬くなる悪性度の高い胃がんです。他の胃がんと同じように粘膜から発生しますが、発生部の粘膜面に変化はみられず、胃壁を広く浸潤していきます。スキルス胃がんは胃がん全体の約10%の割合を占めており、とくに若い女性に頻度が高いことがわかっています。早期発見ができれば、スキルス胃がんでも生存率は高く、予後も良い状態で治療を開始することができます...

胃には、胃がん以外にもさまざまな病気があります。胃がんと同じように、放置しておくと命を落とすような危険性の高い病気もいくつかあります。このようなまぎらわしい病気をはっきり区別するには、病変部の組織検査が必要になります。胃腸間質腫瘍(GIST)消化管の壁に発生した粘膜下腫瘍で、がんと比べると進行は遅く、転移も少ないとされています。初期には症状がありませんが、腫瘍が大きくなると出血が起こります。貧血や...

胃がんの一次予防胃がんの原因にはさまざまなものが考えられますが、まずは、がんになりやすい要因や体質を知って、食生活や生活習慣を改善していくことが重要です。これは「がんの一次予防」になります。とくに食事については注意が必要です。「塩分の過剰摂取」が続くと、胃の中で塩分濃度が高まり、胃粘膜がダメージを受けて炎症を起こします。ただし、冷蔵庫の普及で食品冷蔵が当たり前になり、保存食品であるくん製や干物など...