腎臓病のよくある質問記事一覧
父親がIgA腎症を発症して、その後腎不全になりました。息子である私にも遺伝するのではないでしょうか?日本ではIgA腎症の患者が非常に多いのですが、初期段階ではほとんど症状がないため、腎機能がかなり低下しないと発見されるケースも少なくありません。ご質問のIgA腎症の遺伝性についてですが、現在のところは、遺伝との明確な関係は指摘されていません。ただし、まれに家族内で発病することはわかっています。このた...
子供がネフローゼ症候群という病気になって、しばらく入院していました。無事に退院できたのですが、学校や日常生活でとくに注意することはありますか?子供がかかりやすい腎臓病のひとつがネフローゼ症候群です。なかでも、糸球体に微小な変化が起こる「微小変化型ネフローゼ」は、学齢期前の子どもに多く発症することがわかっています。主治医から退院後の生活指導を受けているはずですので、まずはそれに従いましょう。日常生活...
性生活は腎臓にどのような影響がありますか?控えたほうがいいのですか?性交渉の運動量は気にするほどではありませんので、通常の範囲内なら問題はありません。性生活は、夫婦や男女のコミュニケーションをはかるうえでとても大切なものですので、とくに自重はしなくて構いません。ただし、運動制限が必要なほど重度の腎機能低下がある人は、控えめにするよう指導されます。性のことについて主治医に聞くのは恥ずかしいかもしれま...
慢性腎臓病になり、透析治療を考える段階になりました。そこで、機能しなくなった腎臓は摘出してしまうのでしょうか?それとも体内に残したままで問題ないのでしょうか?腎不全になり著しく機能が低下した腎臓でも、わずかに動いていることがあるので、すぐに摘出しなければならないということはありません。また、透析治療を開始した場合でも、造血ホルモンが出ている可能性があるため、体内に残したままでも問題ありません。ただ...
透析療法を始めることになりましたが、趣味である旅行については問題ありませんか?透析患者さんは旅行を諦めている人もいますが、病状が安定しているのであれば、旅行しても問題ありません。腎臓病があるからといって、楽しみにしている旅行に行けないということはありません。念の為に、旅行する場合は、宿泊地に透析施設があるかどうか前もって調べておきましょう。国内であれば、ほとんどの観光地に施設があります。海外旅行の...
医者から正確な診断のためには腎生検(バイオプシー)が有効と言われました。腎臓に針を刺すと聞いたので、とても不安です・・生検は、臓器の一部を採取して、顕微鏡で直接調べる検査です。がんの確定診断などに用いられます。腎臓病の場合の腎生検は、糸球体腎炎やネフローゼ症候群、IgA腎症などの確定診断と、適切な治療方針を決めるためにとても重要です。その検査方法ですが、腎臓の中に針を刺して組織を採取するというもの...
腎臓病の治療を受けており、現在ステージ1です。将来結婚して子供がほしいのですが、出産は可能でしょうか?腎臓が悪いからといって妊娠や出産ができなくなるというわけではありません。ただ妊娠中は、体内に別の命が宿るわけですから、環境が大きく変わって「妊娠高血圧症候群」が起こることがあります。これは尿たんぱくや高血圧などの症状があらわれるもので、腎不全が進行することもあります。血圧が上がってきた場合、降圧薬...
インフルエンザの予防接種を受けたいのですが、腎臓病を患っていても大丈夫でしょうか?CKD(慢性腎臓病)の患者さんは、免疫力が低下しやすく感染症にかかりやすいと言われています。感染症は腎臓病にも悪影響なので、ワクチンを接種して予防していきましょう。受けたほうがいいのはまずインフルエンザワクチンです。インフルエンザは普通のかぜとは異なり、38度以上の高熱や全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が現れ、高齢...
腎不全が進行すると皮膚のかゆみや背中の痛みとなって現れますか?腎不全の方は、皮膚のかゆみ(皮膚掻痒症)を訴える人が多くいます。その原因は、腎機能が低下することで老廃物が体に溜まり、血液中にリンやカルシウム、副甲状腺ホルモンが多くなるためと考えられています。とくに透析を受けている方は、水分制限などで皮膚細胞の水分量が減少し、角質の水分保持能力が低下してしまいます。これが肌荒れを引き起こして、刺激に過...
CKDにかかっていますが、胃にも腫瘍が見つかり手術を受けることになりました。この手術で腎臓に何か悪影響が出ませんでしょうか?腎臓病患者さんで他の手術を受けることになった際、「手術中は腎機能が落ちるのではないか」「手術後に体力が低下して人工透析になってしまうのではないか」と心配される方もいます。とくに初めての手術は不安になるかと思いますが、基本的に患者さんが注意することや心配することはほとんどないと...
腎不全になると水分の制限が必要になりますか?あまり制限し過ぎると脱水も心配です。水分制限は慢性腎臓病(CKD)のステージから目安を決めますが、「ステージ4だからまだ大丈夫」「ステージ5だから必要」というわけではありません。患者さんのなかには水が体に溜まりやすい人がいますので、そういった方はステージに関係なく水分制限が必要になります。水が溜まりやすいのは、塩分摂取が多い人、立ち仕事が多い人、尿たんぱ...
血圧が下がりすぎることが多く、立ちくらみがよく起こります。薬の量を調節したいです。血圧が下がると、歩いていて立ちくらみを感じ、外出時の転倒や失神で危険です。車を運転する方は、立ちくらみで怖い体験をしたこともあるのではないでしょうか。CKDの患者さんは、処方している薬を減らすと立ちくらみが改善される場合があります。α遮断薬やカルシウム拮抗薬などの中止が検討されます。ただ、自己判断で薬を中止してはいけ...
お酒が大好きで飲み会にもよく参加しています。腎臓病になったら禁酒しなければならないのですか?糖尿病などの食事療法では禁酒指導されることが多いので、腎臓病もお酒をやめなければいけないと思うかもしれません。しかし、アルコールは腎臓にはあまり悪影響を及ぼしません。お酒に含まれるたんぱく質はわずかな量なので問題になりません。ビールに含まれるプリン体も同じです。ですので、禁酒する必要はなく、楽しんで構わない...
CKDと診断されるともう人工透析か腎移植しかすることはないのですか?検査で慢性腎臓病と診断されると、医師からは「いずれは人工透析が必要になります」と宣言されます。たしかに、現状ではほとんどの医師が、CKDが進行したら人工透析か腎移植しか方法はないと考えています。人工透析に健康保険が適用されてからは多くの患者さんが救われるようになりましたが、透析を始めると腎臓はほとんど機能しなくなって、途中でやめる...