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がん関連用語集
がん(癌)
がんとは、「異常増殖を続けること」と、「離れた部位に転移する」という2つの性質をもっている細胞です。がん細胞といいます。きっかけは、正常な細胞の遺伝子に傷がつくことによります。
がんの要因は、発がん物質、ウイルス、放射線、紫外線、先天性のものなど、実に複数の要素が重なり合っています。
変異
がんを発生させる因子(イニシエーション)によって、細胞の遺伝子が傷つけられ、それが修復できないと、突然変異を起こします。
がん化
変異を起こした細胞に、発ガン促進因子(プロモーター)が作用し、変異が重なると細胞ががん化していきます。
抑制遺伝子
がん化にブレーキをかける遺伝子が、がん抑制遺伝子です。抑制遺伝子の働きが悪いと、がんになりやすくなります。
良性腫瘍
遺伝子にできた傷によって、細胞が異常増殖したものですが、変異は小さく、転移もしません。周りの健常組織との境界がはっきりしており、発生した部位のみで発育します。一般的に、命に関わるようなことはありません。
悪性腫瘍
人の命にも関わる悪性の腫瘍です。変異が多数重なり、全身に転移する可能性があります。また、上皮細胞に発生するものを「がん」といい、それ以外の場所にできるもの(非上皮)を「肉腫」といいます。肉腫には悪性リンパ腫などがあります。
悪性腫瘍の多くはがんであり、肉腫を含めてがんと呼ぶことがよくあります。
転移
がん細胞が、もともと発生した場所(原発部位)から離れた臓器やリンパ節に運ばれて、そこで増殖することです。がん細胞が血管内に入り込むと、血液の流れにのって全身へと運ばれ、流れ着いた臓器で増殖をはじめます。リンパ管にがん細胞が入り込むと、リンパの流れにのって、リンパ節で増殖していきます。
リンパ行性転移
身体にはリンパ液が流れるリンパ管のネットワークが形成されていますが、がんが増大すると、リンパ管に侵入することがあります。リンパ管に侵入したがん細胞は、近くのリンパ節に到達します。がん細胞の数がわずかであれば、リンパ節内の免疫反応によって死滅します。
しかし、がん細胞の勢力が免疫機能を超える場合は、リンパ節内で増大し、やがては全身に転移していきます。
血行性転移
がん細胞が血管に侵入すると、がん細胞は血流にのって全身に散布されます。ただし、血行性転移はどこでも成立するのではなく、ある種のがんは特定の臓器を好んで転移します。
たとえば、大腸がんは肝臓と肺に転移しやすく、乳がんと前立腺がんは骨に転移しやすく、肺がんは脳と副腎に転移しやすい、といった特徴があります。
播種性転移
種が播かれるように、がんの表面からがん細胞が散布されることをいいます。たとえば胃がんの場合、胃内腔の粘膜に発生したがんが、進行して胃壁を貫通すると腹腔内に散布され、播種による腹膜転移を起こします。開腹してみると、腹腔内にがんによる塊が多数見られるようになります。
他に腹膜播種を起こすがんは、膵臓がん、卵巣がん、進行した肺がんなどがあります。
浸潤
がん細胞が、周囲の組織に侵入して、深く広がっていくことをさします。正常な細胞と違い、周囲の細胞と接触しても異常増殖を続けていきます。
臨床病期
がんと診断された場合、その進行度が問題となります。この進行度を臨床病期、または単に病期といったりステージと呼ぶこともあります。病期はT期からW期まであり、T期はあまり進行していない転移もない早期がん、W期は遠隔転移のある進行がんです。
なお、ごく初期で上皮・表皮内のわずかな範囲にとどまる場合を0期とすることもあります。病期の決まる具体的な要素は、1.がんのサイズ(深さ)、2.リンパ節転移の有無、3.隣接臓器への浸潤の有無、4.遠隔転移の有無、によります。病期が決まったら、手術、放射線治療、抗がん剤などの化学療法といった治療方針を立てていきます。
悪液質
がんの影響で、全身が衰弱した状態に陥ることをいいます。体重減少、低タンパク血症、脱毛、粘液水腫、臓器の萎縮などがみられます。がんが必要な栄養素を吸い取ってしまうためと考えられています。
再発
がんを完全に切除した後も、最低5年間は再発がないか定期的にチェックします。人の目には見えない顕微鏡的な残存の可能性があるからです。がん細胞の遺残があると、そこからまた増殖して塊となり、術後の定期検査で発見できるサイズになります。
寛解
がんの治療後、すぐにはがんが再発しないで、おさまっている状態をいいます。寛解の期間は、数ヶ月〜数年ほど続きます。
腫瘍マーカー
腫瘍マーカーは、がんがあると血中に増加してくる物質です。採血で簡単に調べることができます。ただし、がんがあっても増加せず、がんがなくても増加がみられる場合があり、確実な指標とはいえません。
そのため、腫瘍が悪性か良性かの診断や再発時の発見など、進行したがんの検査に補助的に用いられる場合に役立ちます。健常者のがんの早期発見には向いていません。
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