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脳出血・くも膜下出血の基礎知識記事一覧
みなさんの頭の中にある脳は、生物が生きるために必要な生命維持や運動・知的活動などをコントロールする高度な器官です。普段の日常生活で脳を意識することはないと思いますが、実はものすごくがんばっているのです。そのがんばりを支えているのが酸素やブドウ糖で、脳は他の臓器に比べて多く必要としています。しかし、酸素やブドウ糖を蓄積することはできないので、常に血液から補給しなければなりません。このため、脳には「内...
脳はさまざまな部位からできていますが、主な部位と機能を簡単に解説していきます。・大脳・・・左脳、右脳からなり、記憶や言語などの高度な働きを担っています。・小脳・・・体のバランスをとったりして、運動機能をコントロールしています。・間脳・・・大脳半球と中脳の間にある自律神経の中枢で、視床と視床下部からなります。・脳幹・・・中脳、橋、延髄からなり、呼吸、心拍機能などの多数の生命維持機能が含まれます。脳出...
脳出血とは、脳の中を走る細い血管が破れて出血する病気をいいます。別名「脳内出血」とも呼ばれています。出血した血液は脳内にかたまりをつくるので、脳内血腫と呼ぶこともあります。脳出血の最大の原因となっているのが高血圧です。血圧が高くなり、長年にわたって放置しておくと血管の壁が傷つきやすくなり(動脈硬化)、出血しやすい状態となります。高血圧が原因の脳出血は、「高血圧性脳出血」と呼ばれており、脳出血全体の...
脳出血にはほとんど前ぶれがない脳出血の発作は突然起こります。残念ながら前ぶれとなるような症状はほとんどありません。まれにTIA(一過性脳虚血発作)と同じような症状が起きることがあります。ただし、脳出血を起こす最大の原因は高血圧であることは明らかとなっています。血圧が高い人ほど、脳の中の血管が高い圧力に耐えられなくなり、小さな動脈瘤がつくられてしまいます。日ごろから高血圧を指摘されている人は、血圧の...
脳出血の症状は、出血の起こる脳の部位によって異なることが判明しています。脳出血の起こりやすい部位もある程度は決まっており、「被殻(ひかく)」という部位が半数近くを占めています。被殻出血脳出血でいちばん多いのが被殻出血で、脳出血全体の約半数を占めています。出血が被殻だけであれば、症状は軽いですが、基底核部にまで出血が及ぶと、体の半身にマヒや感覚障害がみられるようになります。発作時には頭痛がして意識が...
脳の表面はくも膜という薄い膜でおおわれており、脳とくも膜の間(くも膜下腔)には髄液が循環しています。くも膜下出血とは、このくも膜下腔に起こった出血のことです。くも膜下腔には、脳に栄養や酸素を供給するための太い血管が張り巡らされています。この血管から何らかの原因で出血が起こると、脳の表面全体に血液が広がり、脳が圧迫されてしまいます。これが元で呼吸停止や循環停止が起こり、最悪の場合は死に至ります。くも...
くも膜下出血では、脳出血や脳梗塞のように、顔や手足のマヒ、失語といった神経症状が出ることはほとんどありません。くも膜下出血の発症時には、次のような症状が多く見られています。頭痛くも膜下出血でもっとも多い症状が頭痛です。それもふつうの頭痛ではなく、「ハンマーで思いっきり叩かれたような」と表現されるほど激しい頭痛が伴います。しかし、出血が少ない場合には激しい頭痛ではなく、ふつうのかぜを引いたときの頭痛...
くも膜下出血を引き起こす直接的な原因は脳動脈瘤の破裂ですが、そこまで進行するには危険因子(リスクファクター)というものがあります。もちろん、危険因子がなくてもくも膜下出血が起こることがありますが、危険因子が重なればよりリスクが増大してしまいます。喫煙、過度の飲酒、高血圧喫煙が危険因子となりうる理由は、タバコを吸うことで血圧が上昇するためと考えられています。タバコを1本吸うと、収縮期血圧(最高血圧)...
突然くる激しい頭痛に要注意くも膜下出血の場合、発作を起こした患者さんの約半数の人が、なんらかの前ぶれ症状を経験しています。もっとも多い症状が激しい頭痛で、発作の1〜3週間前に起こるという特徴があります。くも膜下出血の多くは、脳の動脈瘤が破裂することによって起こりますが、破裂する前の動脈瘤は「未破裂動脈瘤」といいます。ここから小さな出血が起こると、今までに経験したことのないような激しい頭痛が起こりま...
くも膜下出血を起こしやすい、つまり脳動脈瘤の破裂を起こしやすい家系があるかどうかについてですが、脳動脈瘤の遺伝的な要因については、はっきりとした原因はわかっていません。ただし、家系に脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血を起こした人がいれば、いない人に比べてくも膜下出血の発症率は少し高いと考えられているようです。また、家族性に発生した脳動脈瘤では、小さくてもやや破裂しやすかったり、破裂する年齢の平均が少...
日常生活のどんなときにくも膜下出血が起こりやすいのかという点について、1985年に英国のツエメンティスという研究者が調べた興味深いデータがあります。この研究では、脳卒中を起こした70歳以下の人を調べて、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞を比較しています。これによると、脳動脈瘤の破裂は、睡眠中または起き上がったとき、座位・おしゃべり中・読書中に合計46例と多いものですが、スポーツをしているとき、排便排尿時...
自分に脳卒中の心配はなくても、周囲の人が突然発作で倒れるようなケースに出くわしたら、対処法を知らない人は慌てて行動してしまうでしょう。このような場面に出会うケースはまれですが、対処法を知っていて損はありません。救急車が到着するまでの間は、できる限りの処置を患者さんにほどこすように努めましょう。安全かつ安静にする「脳出血の発作後は動かしてはいけない」ということを、以前ではよく耳にしましたが、これは必...
脳出血・くも膜下出血と思われるような症状、発作が起こったら、できるだけ早く治療を受けるためにも、すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。症状が軽いからといってそのまま様子をみていると、容態が急変してしまうこともあります。また、かかりつけ医への連絡も重要です。手順119番に連絡市外局番なしの「119」です。携帯電話からでも同じになります。話すときは、慌てずに簡潔を心がけましょう。患者さんの状況を説明して...
再発は全身に影響を与えてしまう脳出血、くも膜下出血ともに、発作を招いた要因を取り除かないと、再び発作が起こって再発する危険性があります。再発が起こると、それまでのリハビリの効果を失い、ますます状態が悪化してしまうことがあります。再発が、前回の発作と反対側の大脳に生じた場合、片側だけマヒしていたのが、体の両側がマヒするという事態になることも考えられます。脳出血は再発率が高い脳出血は、脳梗塞に比べて再...