スポンサード リンク
がんの発見から社会復帰までの道のり
1.検診などでがんの発見
会社の健康診断や、自己検診でしこりに気がついて受診した場合などで、がんらしきものが発見されます。このときはまだ確定診断まではいきません。
日本のがん検診率は、先進諸国と比べてもまだまだ低いので、がん検診率を50%まで高める動きも進んでいます。
2.がんであるかどうかの検査
CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)などを使って画像診断を行い、血液検査や疑われている病変の一部を採取していきます。病理診断などでがんであることを確認します。
3.診断
がんではないと診断されれば、この時点で終了となります。がんであると診断された場合、がんがどの段階まで進んでいるかを調べます(ステージング)。どのステージであるかによって、治療方針も変わってきます。
人によってはセカンド・オピニオンを選択する場合があります。かかっている病院以外でも診てもらうことで、これから受ける治療方針が適しているのかを確認したり、よりよい治療を受けられる施設を紹介してもらったりします。
セカンド・オピニオンの注意点は、多くの病院で保険点数外、つまり自己算定で行っているので割高になりやすいことです。30分ほどの相談で数万円になることがあります。自身の生命保険にセカンド・オピニオンが特約で付いているかを確認しましょう。
4.治療方針の決定
がんの治療は、根治を目指す「標準治療」と、根治が困難な場合に行う「緩和治療」の2種類に分けられます。患者のQOL(生活の質)も考慮して、適切な治療法を選択していきます。
5.標準治療
根治の可能性があるときは、手術療法、化学療法、放射線治療の3本から組み合わせて、最良の治療を行います。がんが限られた部位に集まっている場合は外科的治療や放射線治療が向いています。がんが複数の箇所にあったり、血液のがんである場合などは抗がん剤などの化学療法がメインとなります。
基本的に入院が必要になり、ステージや病状によって変わってきますが、大体1ヶ月ほどの入院を経て退院となります。
6.緩和ケア
緩和ケアとは、正確には治療ではなく、痛みのコントロールや心理的なサポートを行って、がんとうまく付き合っていくことを目指すものです。がん患者は不安や死の恐怖といったものがつきまといますので、手厚いケアが重要になります。
7.治療後の経過観察と定期検査
治療が無事に終わり、心身のコンディションも整えることができれば社会復帰となります。ただし、がんは治療後も再発や転移といったリスクがあるので、経過観察でチェックをします。
また、一般には5年〜10年ほどは再発防止のために定期検査を受ける必要があります。
スポンサード リンク
がんの発見から社会復帰までの流れ関連エントリー
- がんになるといくらかかるのか
- がんになると、自分の身体の心配以上に経済面の心配をする人が圧倒的に多いです。治療行為を決めるのは医療者側なので、費用については見当がつかない状況になってしまいます。
- がんによる入院期間は短縮傾向へ
- がんになると入院日数も長くなると思うかもしれませんが、近年は短縮傾向にあります。内視鏡手術などの医療技術の進歩により、長く入院する必要はなくなっています。