冷えとはなんなのか
西洋医学にはない「冷え症」
成人女性の多くが悩んでいる冷え症は、ポピュラーな病気のひとつです。しかし、西洋医学では「冷え症」という病名はなく、病気の定義もされていません。
代わりに、冷えとは末梢の血管が収縮して、皮膚にくる血液が不足している状態と考えられています。そして、手足や腰などの体の特定の部分が冷たく不快に感じられる状態が6ヶ月以上続くと「冷え性」とされています。
「冷え症」ではなく「冷え性」という表記である理由は、病気ではなく、血行が悪い体質であったり、老化や更年期に伴い出てくる症状と考えられているためです。
しかし、現在では、「冷え」は明らかな症候であり、体の病的な変化だとする考えが主流になってきました。これから紹介する東洋医学では、さまざまな病気は冷えからはじまるものとされているため、「冷え症」の表記が一般的だと思われます。
東洋医学の「冷え」のとらえ方
一方の東洋医学では、さまざまな病気は「冷え」からくるものととらえられています。冷えは体の不調を知らせるものであり、冷えが体にたまると病的変化を起こして冷え症になると考えられています。
冷えに対する研究はどんどん進んでおり、東洋医学では、漢方薬などの冷え症の治療法が確立してきました。体を温めるための生活のノウハウも蓄積されており、東洋医学が得意とする分野といえます。
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