自律神経の乱れと冷え症
人間の体温は37度前後に保たれていますが、これは自律神経系の働きによるものです。自律神経は体温調節装置の役割を果たしています。
寒いとき
外気温が下がって寒くなると、皮膚にあるセンサーが情報をキャッチし、脳の視床下部にある体温調節中枢に伝えます。これを受けた体温調節中枢は、体内でつくられる熱の量などを調整します。
また、脳は血管を縮める命令を出して、体から熱が放射する量を少なくします。
暑いとき
外気温が高くなると、脳は血管を拡張させて熱を外へ逃がす命令を出します。
交感神経と副交感神経
自律神経は、体じゅうに張り巡らされており、脳へ情報を運んだり、脳からの命令を伝えて臓器や血管を働かせています。
自律神経には、交感神経系と副交感神経系があります。これらは、呼吸、血圧、発汗などの体のさまざまな機能を活発にしたり抑制したりして、生命を維持しています。
しかし、冷えに長い期間さらされ続けていると、自律神経の機能に乱れが生じてしまい、体に不調があらわれてさまざまな症状が起こってしまいます。
日中での交感神経と副交感神経の働き
自律神経は、昼間は元気に活動できるように交感神経が支配しています。心臓の拍動→促進、血圧→上昇、瞳孔→拡大、発汗→促進などです。夜には静かに休むために副交感神経が支配しています。
しかし、自律神経が乱れて、交感神経と副交感神経のバランスがくずれると、さまざまな症状が起こってしまいます。
交感神経が強く働いた場合、心臓の心拍数が増加し、動悸や息切れが起こるようになります。血圧が上がると、頭痛が起こりやすくなり、筋肉が硬直して、肩こりなどもあらわれてきます。
一方、副交感神経が強く働いた場合、心臓の拍動の間隔が長くなり、血圧が低くなります。すると、冷えやめまいを訴えるようになり、疲労感もあらわれてくるようになります。
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