統合失調症の前触れに注意
統合失調症には、しばしば「前触れのサイン」が見られます。幻覚や妄想、興奮などの陽性症状は、突然起こったように見えますが、悪化する前には何らかの変化が現れている場合が多いです。
ただ、そのサインが非常に小さい場合もあるので、患者さん自身や周囲の人も気がつかないで見落としがちになります。
統合失調症の前触れというと、多くの人は、真っ先に対人関係に変化が現れると考えているようです。しかし、対人関係の変化はあまり目立ちません。
最も重要な前触れは、睡眠の変化、とくに「不眠」です。不眠は、脳や神経が休むことができない状態になっており、危険な症状でもあります。
多くの場合は前触れ症状に気がつかないで、あとから気がつくことが多くなります。患者さんと周囲の人は、サインをよく知っておくことが大切です。
ストレスはさまざま
体に負担をかけるストレスには、さまざまなものがあります。
環境の変化によるストレス
- 急な引っ越しをした
- 交通事故にあった
- 転職、転校した
- 親族を亡くした
突然起こる出来事は、心を緊張させてストレスの原因となります。子供の場合は、何度も転校することも大きな負担となります。
間接的にストレスとなるもの
- 天候の変化
- 季節の変化
- 体調の変化
天候や季節の変化を体で感じる人も多くいます。体が疲れているときには、より影響も受けやすくなります。女性では、月経中に症状が悪化するケースもあります。
自分が抱えているストレス
- 対人関係の悩み
- 進路・進学の悩み
- 疲労感
- 多忙感
思春期の子供は、進路や人間関係についての悩みも多くなり、ストレスを抱えがちになります。ただ、自分が気づきやすいストレスでもあるので、うまくコントロールすることも可能となります。
前触れのサイン
睡眠の変化
- 眠れなくなる
- 夜中によく目が覚めるようになる
- 熟睡ができない
行動の変化
- 身だしなみに気を使わなくなる
- 入浴、食事などの日常的なことを怠るようになる
心の変化
- 無気力になる
- あせり感が強くなる
- イライラすることが多くなる
上記のような症状が2週間以上続いたり、どんどん悪化していくようなら、統合失調症に注意しなければなりません。