急性期の症状

急性期の症状

統合失調症の急性期には、さまざまな症状が現れてきます。今までの患者さんとは人柄や性格がまるで変わったようになり、周りの人は戸惑いを覚えることも多くなります。

 

患者さんは幻聴や妄想に悩まされており、「自分の行動は監視されている」などの意味不明なことを言ってきます。しかし、本人は本当のことであると思い込んでしまっているため、間違いであることを分かってもらえません。

 

このとき、周りの人は、無理に説得しようとしたり否定してはいけません。論理立てて説明をしても、患者さんは自分なりに考えて納得しているので、言い争いになることも少なくありません。やがて患者さんは追い詰められて、強い不安を感じてしまうようになります。

 

患者さんと接する際は、まずはあいづちを打ちながら話を聞くことが大切です。妄想を抱いているため、共感を示してあげることが必要となります。

 

陽性症状と陰性症状

 

急性期には、神経の興奮から起こる「陽性症状」と、エネルギーが下がる状態となる「陰性症状」の2種類があります。陽性症状を起こすタイプが多くみられます。

 

陽性症状
  • あるはずのない声が聞こえたり、ものが見える(幻覚)
  • 危険な状態におかれていると思い込んで、不安になる(妄想)
  • イライラして怒りっぽくなる
  • 誰かに操られているような感覚を抱く
  • 集中力が続かないで、考え方に一貫性がなくなる

 

陰性症状
  • エネルギーが下がるような症状が現れ、周りにはわかりにくい
  • 感情の起伏がなくなる
  • うつ状態になる
  • 部屋に閉じこもったりして、自分の殻に閉じこもる

 

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急性期への対応
統合失調症の急性期には、よけいな情報を遮断して静かな環境をつくってあげることが重要となります。周囲の人は気を配ってあげましょう。

急性期の患者さんは、幻覚や妄想に悩まされます。患者さんを追い詰めるのではなく、気持ちを理解するようにしてあげましょう。

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