急性期への対応

急性期への対応

統合失調症の急性期は、神経が過敏になっており興奮も激しい状態となっています。そのときは、患者さんの身の周りのものすべてが刺激となります。

 

受け取る情報量が多くなり、自分自身で処理しきれなくなると、大きな不安を持ってしまいます。

 

周囲の人は、患者さんがよけいなことを考えずに静かに過ごせるように、環境を整えてあげましょう。

 

強い光や音にも、患者さんには敏感になります。家の中で静かに過ごせるように、よけいなものを取り除いたり工夫したりしていきましょう。以下に静かな環境を作るためのポイントをあげています。

 

ただ、家族が無理をしすぎるのは禁物です。気持ちにゆとりがもてなくなると、患者さんにもよい影響を与えません。対応しきれなくなると感じたら、入院させるという方法もあります。

 

チェックポイント

 

  • 1.テレビ、ラジオを遠ざける

テレビやラジオなどから入ってくる情報を遮断するために、できるだけ遠ざけるようにしましょう。周りの人が見たい(聞きたい)ときでも、スイッチを入れないことが大切です。ただし、患者さんが楽しんでいる場合は、無理にやめさせるようなことはありません。

 

  • 光や音をさえぎる

窓にカーテンをかけて、外からの光をさえぎりましょう。また、音楽を聞く場合は、できるだけ小さい音量にしてあげることで刺激を少なくできます。

 

  • 人ごみの中に入らない

外出するときは、患者さんをできるだけ人ごみの中へ入らせないようにしましょう。関係のない他人の会話や人の視線でも、患者さんには気になってしまいます。周囲の人は常に付き添ってあげましょう。

 

  • 会話を短くする

患者さんに伝えたいことがある場合は、1つずつ簡単に伝えるように配慮しましょう。難しい会話は、集中力を保つことができない患者さんには大きな負担となります。早口ではなく、ゆっくりとわかりやすく伝えましょう。

 

  • 睡眠をとらせる

興奮した神経を鎮めるためには、睡眠をとることが最も有効となります。良質な睡眠をとらせるように環境を整えましょう。なかなか寝ることができないときは、睡眠薬を用意するのも手です。

 

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急性期の症状
急性期の患者さんは、幻覚や妄想に悩まされます。患者さんを追い詰めるのではなく、気持ちを理解するようにしてあげましょう。

統合失調症の急性期には、よけいな情報を遮断して静かな環境をつくってあげることが重要となります。周囲の人は気を配ってあげましょう。

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