回復は少しずつ見えるようになる
消耗期に十分に休むことができた患者さんは、しだいに元気になって、少しずつエネルギーがたまってきます。すると、少しずつ行動範囲が広がって、その内容も増えていきます。この時期を「回復期」と呼びます。
回復期には、気持ちにもゆとりが生まれるようになります。ただし、いきなりすべてのことができるようになるわけではありません。
「好きなこと」を負担が少ないように「少しずつ」できるようになると、無理なく取り組めることができます。家族としては、「ここで早く回復して家事や仕事をしてほしい」と願うところですが、あせりは禁物です。
気長に待って変化を見守る気持ちでいきましょう。
回復期の行動の変化
- テレビやラジオをつける
テレビやラジオを自分でつけて楽しむようになります。最初はニュース番組などをみることが多いようです。
- ドラマや映画を楽しむようになる
時間が長いもので、内容が複雑なものも理解でき、楽しむことができるようになります。
- 電話に応じる
今まではなかなか電話に出ようとしませんでしたが、だんだん会話ができるようになります。
- 自分から電話をかける
電話を受けるだけでしたが、自分から積極的にかけて会話を楽しむようになります。
- 家の外に出る
家や自分の部屋に引きこもっていたのが、だんだん外出できるようになります。
- 本や新聞を読むようになる
漫画ではなく、本や新聞などの活字を読むようになります。さまざまな情報を取り入れるようになります。
- 会話を交わすようになる
家族としか話をしなかったのが、近所の人とあいさつを交わすようになります。外出先でもだんだん話せるようになります。
- やるべきことをやるようになる
歯磨き、風呂、着替えなどをめんどくさがらずにやるようになります。家事や手伝いなどもできるようになります。
回復期の患者さんの状態関連エントリー
- 回復期への対応
- 統合失調症も回復期へと進むと、社会復帰に向けた準備となってきます。ただし、周りの人は慎重に対応してあげましょう。