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体と心の苦しみを取る緩和療法
緩和療法とは、身体的な痛みなどの不快な症状をコントロールし、やわらげるために行われる医療的なケアです。
がんを積極的に根治する治療法とは異なりますが、必ずしも対立するものではありません。抗がん剤の使用などでがんが小さくなっても、寿命をのばすことや、生活の質を上げることにならない場合もあります。
そのようなときには、緩和療法で生きていくことを支援し、充実した日々を送れるようにサポートしていくことが望ましいと考えることもできます。
薬物療法
- 鎮痛剤で痛みのコントロール
身体的な痛みは、その強さに応じて各種の鎮痛剤がよく使われます。場合によっては、モルヒネなどの麻薬も使用することがありますが、医師から正しい処方の仕方を教わるので、中毒となる心配もありません。
■第1段階 非ステロイド性消炎鎮痛薬(例:アスピリン)
■第2段階 弱麻薬性鎮痛薬(例:コデイン)
■第3段階 強麻薬性鎮痛薬(例:モルヒネ)
- 鎮痛効果の補助薬
鎮痛薬の鎮痛効果を高めるものとして、ステロイド薬、抗うつ薬、向精神薬などが使われることもあります。
- その他の不快な症状への対処
食欲不振にはステロイド薬が効くことがあります。吐き気が起こる場合は、制吐薬を使用していきます。薬の副作用で便秘になることがありますが、下剤で対処が可能です。
薬物療法以外の対処法
- カウンセリング
患者さんの不安、うつ、不眠などの精神的な症状に対しては、精神科医や臨床心理士らによるカウンセリングを行っていきます。
- 放射線療法
鎮痛薬では対処しきれないような骨折を伴う痛みや、腫瘍の圧迫による痛みには、放射線療法を試みていきます。
- 外科的な処置
口から食べ物が摂取できない状態が続くようなら、皮膚に穴を開けて胃に管を入れ、そこから栄養を補給する方法があります。
腎不全の場合、腎臓に管を入れて尿を出す「腎ろう」など外科的な処置も有効な場合があります。
以上のような緩和療法は、一般の病棟でも受けることができ、入院も必ず必要というわけではありません。最近では、緩和医療の提供を目的にした「緩和ケア病棟」などが併設されている医療機関もあります。
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体と心の苦しみを取る緩和療法関連エントリー
- 胃がんの抗がん剤を使った化学療法
- 手術以外の治療法として、まず考えられるのが抗がん剤を使った化学療法です。治療効果を期待できますが、反面、副作用もあらわれてくるので気をつけなければなりません。
- 再発予防の補助化学療法
- 再発を防ぐ目的で、手術とあわせて抗がん剤を使うことがあります。これを「補助化学療法」といい、臨床試験も行われています。
- 放射線療法やその他の治療法
- 胃がんでは、放射線を使った治療法は、根治を目的とするわけではなく、緩和のために用いられます。また、その他の治療法も紹介していきます。
- 高額療養費制度の利用
- がん治療の際に問題となるのが高額な医療費です。多額の治療費については「高額療養費制度」が利用できます。