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ピロリ菌の感染は胃がんのリスクが5倍に!
ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)とは、1983年にヒト胃粘膜の中に存在することが発表された細菌です。胃の内部は強酸性であるため、従来は細菌が生息できないと考えられていましたが、ピロリ菌の発見によってくつがえりました。
最近の研究によると、ピロリ菌による細菌感染が、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃がんの原因になると考えられるようになっています。その理由は以下の通りです。
ピロリ菌が胃粘膜に作用して炎症を引き起こすと「慢性委縮性胃炎」となります。そして胃炎が続くと、胃粘膜は腸粘膜に似た細胞に変化していきます。これは「腸上皮化生」と呼ばれるもので、前がん状態になります。このようにして粘膜細胞ががん化すると、やがて胃がんになると考えられています。
厚生労働省の大規模疫学調査によると、ピロリ菌感染者の胃がんリスクは、非感染者に比べて5.1倍高いことが判明しています。また、過去に感染歴のある人の胃がんリスクは10.2倍にもなっています。
40歳以上では70%が感染か
ピロリ菌の感染経路については詳しいことはわかっていませんが、経口感染による可能性があるとされています。また、ピロリ菌は嫌気性の環境では、球形の形にかえて感染していくものと考えられています。
胃がんのリスクを低くするためには、ピロリ菌に感染しないことが重要ですが、40歳以上では70%以上が感染しているともいわれています。これは生活環境の衛生面も影響しているようです。
感染をはじめから予防することは難しいため、まずは消化器科のある病院などでピロリ菌の検査を受けることが大切です。診断されると抗生物質が処方されて、服用すると除菌することができます。
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