統合失調症の治療に使われる薬の作用

薬の働きを知ろう

統合失調症の治療の中心は、薬物療法とリハビリテーションになります。精神的な興奮が激しい急性期には、薬で症状を抑えなければなりません。

 

しかし、興奮や不安のために薬を飲んでくれない患者さんも多くいます。患者さんが安心して薬を服用できるように環境を整えてあげましょう。

 

薬の主な3つの作用

 

統合失調症の治療に使われる抗精神病薬は、大きく3つのタイプに分けられます。ただし、ほとんどの薬はいくつかの作用を併せ持っています。

 

最近になって新しく使われるようになった薬に「非定型抗精神病薬」があります。いままで治療がむずかしかった陰性症状にも効果があります。

 

幻覚や妄想を和らげる
  • ハロぺリドール など

薬の効果があらわれると、1〜2週間ほどで幻覚、妄想が和らいできます。鎮静効果もあります。

 

症状が改善された後も、再発を防ぐために使用を続ける場合があります。

 

気持ちを落ち着かせる
  • クロルプロマジン
  • レボメプロマジン など

神経の過敏をやわらげて、行動を落ち着かせる作用があります。幻覚や妄想などからくる不安により興奮していることがあるため、幻覚を和らげる薬も使っていきます。

 

ただし、眠気を伴うことが多いため、患者さんの状態をみてから考えます。

 

意欲を持ち上げる
  • リスぺリドン
  • オランザピン など

「非定型抗精神病薬」は、陽性症状だけでなく陰性症状にも効果がある薬です。眠気も起こりにくいので、再発予防のためにもよく使われるようになっています。

 

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