自動車の排ガスから活性酸素が発生

排ガスと活性酸素

空気の汚れは年々深刻になっています。その大きな原因となっているものの一つが、自動車の排ガスです。自動車の排ガスには、さまざまな有害物質が含まれています。

軽油を燃料に使うディーゼル車は、燃費が良いことから、トラックなどで多用されています。しかし、粒子状物質（PM）のほとんどがディーゼル車から排出されています。

普通自動車に多いガソリン車からも有害な窒素酸化物（NOx）が排出されています。
窒素酸化物（NOx）は、脂質を酸化して過酸化脂質をつくります。

粒子状物質（PM）は、発がん性が疑われている物質です。喘息などの呼吸器疾患を悪化させる要因にもなっています。

空気のなかに汚染物質が多く含まれていれば、呼吸を通じて、体内に活性酸素を発生させる原因物質が流れ込んでしまいます。

真っ先に影響を受けるのは肺です。喘息を患っている人は、とくに気をつけなければなりません。しかし、空気が汚れているからといって、すぐに生活の場を変えることはむずかしいでしょう。

近年では、自動車の排ガスについては、厳しい基準が設けられるようにはなっています。ただ、一台あたりの有害物質の量は減っても、交通量が多ければ効果は薄くなります。

空気の汚れを減らすには、

などの方法をとらなければなりません。

排ガスには二酸化炭素も多く含まれているため、地球温暖化の原因のひとつにもなっています。二酸化炭素が多くなると、地球を覆ってしまって熱を逃がしにくくなります。

また、窒素酸化物が活性酸素と反応してできる物質が雨となって降れば、酸性雨となってしまいます。酸性雨では、樹木を枯らしたり、人工物を溶かしたりといった被害が生じています。

酸性雨で樹木が枯れてしまえば、まずます二酸化炭素が増えることになり、温暖化も加速してしまいます。

排ガスによる活性酸素は、人間の体の毒となるだけでなく、地球全体の環境にも有害となってしまいます。

タバコの紫煙が大量の活性酸素を生む: タバコは肺がんの発症率を高めることはよく知られていますが、活性酸素も発生させてしまうので注意しなければなりません。
化粧品の化学物質から活性酸素が発生！？: 若く美しくなるために使う化粧品。しかし、使われている化学物質のなかには、活性酸素を発生させてしまうものもあるのです。
水道水の汚染物質も活性酸素の発生源に: 水道水に含まれているトリハロメタンという物質も活性酸素の発生源となるおそれがあります。基準値以下でも安心はできません。
紫外線（UV）のもたらすメリット・デメリット: 紫外線は、ビタミンDの合成や殺菌などのいい効果もありますが、活性酸素の発生を促進してしまうという側面もあります。紫外線対策には十分に気をつけておきましょう。