パーキンソン病の原因/リスク因子とは

パーキンソン病の原因とは

パーキンソン病は、脳の黒質の細胞が破壊されて、ドーパミンが減少することにより起きるということを述べましたが、それではどのようなリスク因子によって起こされるのでしょうか。

 

この点については、現在でも研究中でまだよく分かっていないのですが、いくつかの原因が考えられています。なかでも「ミトコンドリア機能障害説」が有力となっています。

 

ミトコンドリア機能障害説

 

ミトコンドリアとは、私たちの細胞を構成している器官のひとつです。細胞が生きていくためのエネルギーをつくり、酵素の代謝をコントロールする役割があります。

 

動物実験では、MPTPやロテノンなどのミトコンドリアに機能障害を起こす薬物によって、パーキンソン病と似たような病態が観察されたことから、有力な仮説であるとされています。

 

また、細胞を傷つける活性酸素が過剰になることで「酸化ストレス」となり、黒質細胞の破壊につながるのではないかという説もあります。

 

加齢で脳細胞が減少する影響か?

 

一般的には、脳の細胞は年齢とともに減少していきます。アルツハイマー病や老人性痴呆(認知症)も、脳の変化が認められています。

 

パーキンソン病の発病も50〜60代の初老期に多いことから、加齢とのかかわりが指摘されています。
ただし、40歳以下で発症する若年性のパーキンソン病も存在するため、老化だけが原因とはなりません。

 

遺伝的な異常によるもの?

 

近年では、特定の遺伝子の突然変異が原因と考えられる、家族性のパーキンソン病があることが確認されています。患者のなかには、血縁者のなかにパーキンソン病患者がいることがあり、このような家族性のものは、全体の10%ほどといわれています。

 

ただし、必ずしも遺伝するというわけではなく、遺伝する条件などについてはまだ研究段階です。

 

喫煙、飲酒との関係は?

 

喫煙や飲酒は、生活習慣病の危険因子としてよく知られていますが、驚くべきことにパーキンソン病の場合は、喫煙、飲酒の習慣がある人のほうが、ない人に比べて発症が少ないことがわかっています。世界各国共通のデータが示しているようです。

 

タバコの場合では、煙に含まれている「ヒドラジン」という物質が黒質の細胞の破壊を抑えるという説があります。

 

ただし、これだけで積極的に喫煙や飲酒をしていいという結論にはなりません。喫煙や飲酒にも大きな弊害があります。今後の研究で解明されることに期待されます。

 

いくつかの要因が関係している?

 

パーキンソン病の原因については、以上で紹介したようなものがありますが、いずれも単独ではないようです。いくつかの要因が関わり合っていると考えるのが自然でしょう。

 

例えば、遺伝的因子を持っている人が、それだけでは発病はしなくても、さまざまな環境的因子の影響で発病するのではないかと考えられます。

 

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