パーキンソン病の自律神経症状/精神症状

運動症状以外にもさまざまな症状が現れる

パーキンソン病の4大症状のページで紹介したように、ふるえ、筋固縮、寡動/無動、姿勢反射障害の4つがおもな症状です。

 

しかし、パーキンソン病の症状は運動面に限りません。心臓や胃腸などの内臓器官の働きを調整している自律神経の乱れで起こる症状や、精神的な症状もみられます。

 

自律神経症状

 

便秘

ほとんどのパーキンソン病の患者さんが便秘に悩んでいます。パーキンソン病による運動不足や胃腸の働きが弱くなることが原因と考えられます。治療薬の副作用が影響している場合もあります。
海藻類、イモ類などの食物繊維が豊富な食品を摂取することが大切です。

 

立ちくらみ

パーキンソン病になると、立ち上がった瞬間に急激に血圧が下がって(起立性低血圧)、立ちくらみを起こすことがあります。ときには気を失って倒れる人もいます。

 

排尿障害

頻尿、排尿困難、尿失禁などの排尿障害がみられることがあります。初期にはあまりなく、進行すると現れます。

 

よだれ、嚥下(えんげ)障害

よだれを無意識に飲み込むことができなくなり、外に出てきます。
また、食べ物の飲み込みがうまくできなくなります。これを嚥下(えんげ)障害といいます。パーキンソン病の中期以降に増えてくる症状です。ひどくなると、口からまったく食事がとれなくなります。

 

発汗障害、あぶら顔

全身の体から汗が出にくくなり、体内に熱がこもって発熱することがあります。
一方で、顔は汗をかくようになり、脂ぎった顔(脂顔)になるという特徴があります。

 

冷え、むくみ

血液の循環が悪くなって、体温調節がうまくいかなくなると、手足が冷えやすくなったり、むくみが出ることがあります。
手足の皮膚や爪が紫色に変色する「チアノーゼ」という症状が出ることもあります。

 

精神症状

 

不安、うつ症状

パーキンソン病の患者さんの約40〜50%に、抑うつ症状がみられます。原因についてははっきりとは分かっていませんが、脳内の障害が関係していると考えられています。
また、生活に不安を感じたり、意欲を失って無気力となります。

 

幻視

幻視とは、幻覚のひとつで、現実にありもしない人物や動物などが見える症状です。幻聴はほとんどみられません。

 

不眠

うつ症状や夜間の頻尿などの理由で、睡眠障害を起こることがあります。

 

認知障害

パーキンソン病の患者の約20%に、痴呆症状が合併すると考えられています。ただし、アルツハイマー病のような高度の痴呆ではなく、注意力の低下や反応が遅れる、といったものが特徴です。

 

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