パーキンソン病の初期症状
体の不調を見逃さない
パーキンソン病は、長い時間をかけてゆっくりと進行するので、初期にはなかなか症状に気づくことができません。
パーキンソン病の症状自体は、手足のふるえや筋肉のこわばりなど、特有のものがありますが、それらがあらわれる頃にはかなり進行してしまっていることも考えられます。
また、本人が自覚できていない変化を、家族や友人が先に見つけることもあります。
もし、それらしい症状があっても、実際には別の病気ということもあります。パーキンソン病に似たような症状があらわれる、他の原因によるパーキンソン症候群の可能性もあります。
小さな体の不調に気づいたら、早めに専門の医師を受診することが大切です。どんな病気も早期発見に越したことはありません。
以下に受診のきっかけとなる症状を載せています。思い当たることはないか確認してみましょう。
受診のきっかけとなる症状
- じっとしていると手や足がふるえる
- 歩幅が小さくなった
- 歩いていると速足で前のめりになる
- 足が前に出ない
- 足を床にすって歩く
- 歩くのが人より遅くなった
- 最初の一歩がなかなか出ない
- 字がうまく書けなくなった、小さく詰まった文字を書くようになった
- 服が着にくくなった、ボタンをうまくはめることができない
- 声がうまく出せない、話し方に抑揚がなくなった
- 飲食物がうまく飲み込めない
- 歯磨きがうまくできない
- ベッドから起き上がるのに時間がかかる
- よく転ぶようになった
- よだれがひんぱんに出る
- 便秘になった ・・・など
初期症状に「ふるえ」を感じる人が多い
パーキンソン病の初期症状について、日本と米国の調査があります。
「出典:日本内科学学会雑誌(1994年)、柳澤信夫{パーキンソン病の初期症状と診断}より」
米国の調査(1967年)によると、「ふるえ」で始まる人が70%でもっとも多く、次に「歩きにくい」11%、「動作が遅い」10%、「体のこわばり」10%、「ろれつが回らない」4%となっています。
一方、日本の調査(1988年)でも、「ふるえ」が58.2%でトップとなり、以下「歩きにくい」24.0%、「動作が遅い」20.9%、「体のこわばり」10.1%、「ろれつが回らない」2.8%とつづいています。
調査の年代は異なっていますが、日米共通で「ふるえ」が多いという結果が出ています。
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