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妊娠中の子宮頸がんの治療について
妊娠したかもしれないと思って産婦人科で検査を受けたときに、子宮頸がんが発見される症例が増えています。妊娠の検査では、がんがないかどうかを調べるための細胞診も行われるためです。
なお、比較的高齢者に多い子宮体がんの患者さんには、このような問題はあまりみられません。
妊娠中に子宮頸がんが見つかることは大変ショックで、病状が悪化していれば以後妊娠や出産が望めない状態になることもあります。
ただし、よほどの進行がんで胎盤に転移していない限りは、胎児にがんがうつる心配はありません。子どもの成長に悪い影響を与えることもないので安心してください。
また、妊娠中だからといって、子宮頸がんの進行スピードが早くなるというわけでもありません。妊娠の有無とは関係がないと考えられています。
がんの進行期によって治療方針が異なる
妊娠中に子宮頸がんが見つかった場合、その治療方針や治療の開始時期は、子宮頸がんの進行期や妊娠週数、患者さんの希望によって異なります。
まず、がんが子宮頚部の上皮内にとどまっている0期のような早期がんでは、基本的にそのまま出産が可能です。浸潤や転移の可能性がほとんどなく、生命の危険もおびやかされる心配がないためです。分娩が終わった後は、円錐切除術で病変のみを切除していきます。
Ta1期(頚部にとどまっており、幅7mm、深さ3mm以内)と考えられる場合は、診断を確定させるために、妊娠中でも円錐切除術を行います。流産や早産に注意しながら妊娠を管理します。
Tb期以降の浸潤がんの場合は、再発の可能性があるため、基本的には母体の救出を優先して妊娠をあきらめることになります。妊娠20週までの場合には胎児を死産させ、妊娠28週以降では分娩させ母体外で育てます。
ただし、実際には、がんの進行状況や患者さんの希望などにより対応はかなり異なってきます。リスクを承知で強く妊娠の継続を希望するケースでは、帝王切開手術を行って、広汎子宮全摘出術を行うこともあります。
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