転移性肺がんの特徴

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肺がんの脳や骨への転移について

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肺がんは転移の危険性が高いがんとしても知られています。転移とは、最初に発生したがんの部位が飛び火して、別の場所で新しく増殖するというものです。転移する可能性のある場所は全身に及びますが、その中でもとくに転移しやすい部位があります。

 

肺がんの場合、他のがんに比べて脳に転移しやすいという特徴があります。脳転移が起きた場合は、転移した腫瘍の大きさや個数にかかわらずステージWの進行がんと診断されます。

 

以前は予後が不良とされてきましたが、現在は薬物療法の進歩により患者さんの生存期間は長くなっています。

 

肺がんが転移しやすい部位

 

  • 脳・・・もっとも転移しやすい部位の1つであり、診断された患者さんの約1割に脳転移が確認されています。
  • リンパ節・・・リンパ節は、リンパ管のところどころに存在している節みたいなものです。早い段階から転移が起こりやすく、肺門や縦隔にも転移がみられます。
  • 胸膜・・・胸膜には、臓側(ぞうそく)胸膜と壁側(へきそく)胸膜というものがありますが、がんが臓側胸膜をやぶって胸膜播種になることがあります。
  • 副腎・・・非小細胞肺がんと診断された人の約7%に、転移がみられているというデータがあります。
  • 肝臓・・・血液がよく流れている臓器であるために、がん細胞が増殖しやすい面があります。
  • 骨・・・肋骨や骨盤、背骨などに転移することがあります。

 

転移のタイプ

転移するタイプにも3つあります。

 

・リンパ行性転移・・・リンパ球が含まれているリンパ液にがんが流れていくものです。他の部位に広がっていき、リンパ節転移が起こります。

 

・血行性転移・・・血液の流れでがんが広がっていくものです。肺にがんができても、離れた臓器へ飛び火してしまいます。

 

・播種性転移・・・がんのかたまりから、小さながん細胞がはがれて散らばります。胸膜播種、髄膜播種などがあります。

転移の状況を調べる方法とは

肺がんの診断がでたら、今度はがんが全身に転移していないか調査をすることになります。調査方法にもいくつか種類があるので紹介しておきましょう。

 

・超音波・・・腹部の転移を調べるときに使用され、肝臓への転移がないかを調べるのに役立ちます。

 

・CT・MRI・・・手術前にはこのCT・MRI検査を行って、上腹部をスキャンして内部をみます。肝転移や副腎転移を調べることもできます。

 

・縦隔鏡・・・肺にはさまれている縦隔をみるための内視鏡です。縦隔へのリンパ節転移を調べるときに使用されます。

 

・FDG-PET・・・体内に放射性の医薬品を入れて、その放射線を画像にする検査法の1つです。がんが見つかると光ってみえます。全身への転移の状況をまとめて調べることができます。

 

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