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子宮頸がんの細胞診

子宮がん検診では、問診と内診のあとに細胞診が行われます。費用は3000〜5000円程度になります。健康保険組合や自治体が実施している検診であれば、一部もしくは全額が補助されるので利用するとよいでしょう。

 

細胞診では、腟に腟鏡(クスコ)を入れて、ブラシや綿棒で子宮頸部の細胞をこすり取っていきます。時間は1分ほどで、痛みもほとんどないため心配はありません。

 

採取した細胞は顕微鏡で観察していき、大きさや形、色などを調べていきます。検査の結果、どの程度の異常なのかという診断は、下のクラス分類によって行われます。

 

細胞診のクラス分類

 

クラス分類 推定病変 判定
クラスT 正常上皮 陰性
クラスU 良性異型 陰性
クラスVa
クラスVb
軽度〜中等度異形成
高度異形成
疑陽性
疑陽性
クラスW 上皮がん 陽性
クラスX 浸潤がん 陽性

 

クラス分類の見方

 

結果の評価はクラス1から5までの5段階に分けられます。異常なしと考えてよいのはクラス1と2です。クラス1は正常、クラス2は炎症などの影響を受けた異常細胞はあるが、良性であることを示しています。結果として最も多いのは、クラス2であることが多いようです。

 

一方、クラス3以上は細胞に異常所見ありということを示し、精密検査が必要になります。

 

クラス3では、子宮頸部異形成が疑われる病変があります。aよりもbのほうが程度が悪い可能性があります。クラス4は、ごく初期のがん細胞(0期のがん)があることを意味しています。上皮内がんの可能性があります。最も重いクラス5では、がん細胞が深く入り込んでいる浸潤がんがあると推定されます。

 

ASC-USについて

 

なお、最近採用されているベセスダ分類では、意義不明異型扁平上皮(ASC-US)からが陽性となります。従来の分類ではクラスU〜Vaに相当します。

 

ASC-USと診断されても癌ではなく、軽度の異形成があるものと考えられます。再検査やフォローアップということになります。

 

また、2009年4月からASC-USの人に対して、HPV検査が保険適用されることになりました。これにより精密検査が受けやすくなっています。

子宮頸がんのHPV検査

最近では、細胞診に加えて、HPVに感染しているかどうかを調べるHPV検査を実施しているところも増えてきました。→子宮頸がんの原因であるHPVウイルスとは

 

HPV検査は別途申込みが必要で、費用は5000〜8000円ほどになります。子宮がん検診の重要な検査ですが、残念ながら現在のところ自治体の補助はありません。

 

HPV検査は細胞診と同じ方法で行われますが、HPVに感染しているかどうかを調べることができます。主な原因となっている16・18型などのハイリスク型HPVを検出することが可能です。

 

ハイリスク型HPVに感染していれば「陽性」となり、感染してないことが確認されれば「陰性」と診断されます。ただし、「陽性」と診断されてもほとんどの場合で、免疫の働きによって自然に体から排除されるため、すぐに子宮頸がんとなるわけではありません。

 

細胞診とHPV検査を組み合わせることによって、子宮がん検診の精度をほぼ100%にすることができます。これは、がん細胞が見逃される可能性が限りなくなくなることを意味します。現在のところ全額自己負担ですが、HPV検査もぜひ受けるようにしましょう。

 

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