食道の再建
食道再建の方法
手術で食道を取り除いた後は、食べ物が通る道がなくなってしまいます。そこで、新しく食べ物が通る道を人工的につくっていかなければなりません。それが「食道の再建」です。
- 胃を使う
新しい食道として、もっとも多く使われるのが胃になります。胃を引き上げて、切除した食道とつなぎ合わせていきます。
胃は伸びもよく、つなぎ目が1つで済むのがメリットですが、食べ物を送る機能がやや弱いという欠点もあります。
- 小腸を使う
頚部食道がんで、咽頭などを切除した場合に腸を使うことがあります。小腸の一部の空腸を切り取って移植していきます。縫合部が多くなるので、手術にやや時間がかかってしまいます。
- 大腸を使う
胃がんなどで、胃を使えない場合に大腸を使うことがあります。大腸のなかでも結腸という部位を使って、食道を再建していきます。
再建した食道の通し方
食道を通すルートも、いくつか考えられます。がんの進行具合や、手術の安全性、患者さんの希望などを考慮して、選択していきます。
とくに、胸骨前のルートを選んだ場合、食べ物が通過するのが外見から分かりやすくなってしまうために、慎重に選ばなければなりません。体に悪影響はありませんが、患者さんが気にしてしまうことが多くあります。
- 胸腔内
胸腔内に道をつくると、もともと食道にあった場所に近いため、自然な感じを出すことができます。ただし、縦隔膜に触れて炎症を起こしやすいという欠点もあります。
- 胸骨後
胸骨と心臓の間を通すものです。生活をしていると、心臓を圧迫しやすくなるという欠点があります。
- 胸骨前
胸の皮膚の下を通すもので、距離が長いルートになります。食べたものが外から分かるようになってしまうという欠点があります。
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