生体腎移植と献腎移植について

末期腎不全の治療法「腎移植」

末期腎不全になったときの治療法は、人工透析(血液透析、腹膜透析)と腎移植しか残されていません。

 

このうち腎移植(腎臓移植)は、病気で働きを失った腎臓を、提供された健康な腎臓と取り換える治療法です。腎不全の根本的治療であり、人工透析よりも患者の負担が軽く、水分や食生活の制限から解放されます。

 

女性では妊娠・出産も可能となり、子どもでは正常に近い発育が期待できます。健康な人とほぼ同じような生活が送れるようになるため、多くの患者が腎移植を受けられる社会環境をつくることが課題となっています。

 

腎移植については、手術後の免疫の拒絶反応を心配する人も多いですが、現在はすぐれた免疫抑制薬が開発されています。服薬に耐えられる体力があれば、腎移植手術の成功率も高いため、安心して治療が受けられます。

 

腎臓移植の2つの方法

 

腎移植には、移植する腎臓によって2つの方法に分けられています。

 

生体腎移植

親、兄弟、姉妹などの健康な血縁者が腎提供者(ドナー)となって移植する方法です。国内の腎移植の中心となっています。

 

献腎移植

心臓死(一般的な死)と脳死で亡くなった人の腎臓を移植する方法です。

 

腎臓の生着率

 

腎移植後は、時間が経つにつれて移植した腎臓の働きが低下する場合があります。

 

日本移植学会の調べでは、1982〜2004年に腎移植を受けた人の生着率は以下のようになっています。

 

1年生着率 生体腎移植 93% 献腎移植 83%
5年生着率 生体腎移植 82% 献腎移植 66%
10年生着率 生体腎移植 67% 献腎移植 50%
15年生着率 生体腎移植 52% 献腎移植 39%

 

 
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