患者側の問題で紹介状を作成できないこともある
病院で扱われる「紹介状」とは、次に託された医師が治療をしやすいように必要事項をまとめたものです。正確には「診療情報提供書」と呼ばれます。紹介状を受け取った医師は、それを見て患者さんの病状や診断結果を知り、今後の治療に役立てます。一から検査をし直す必要がなくなるので、患者さんの負担を省くことができます。
また、紹介状を書いてもらうと、医療費がかなり安くなるというメリットもあります。→かかりつけ医の紹介状をもらうと「選定療養費」がかからない!
医師が紹介状を作成する場合は、次の2つのケースがあります。
- 患者さんが作成を依頼したとき
- 医師が他の病院で診てもらったほうが適切であると判断したとき
通常、患者側から紹介状を作ってもらうように頼めば、医師は引き受けてくれるはずです。しかし、なかには頑なに紹介状を作るのを拒む場合もあるようです。紹介状の発行は義務ではありませんので、法的には問題はありませんが、そのような医師に今後も治療をお願いするとなると不安になってしまいます。
紹介状を作ってくれない理由は実にさまざまで、次のようなものがあります。
- 紹介できる医師がいない(大学病院へのコネクションをもっていない)
- 医師のプライドが高く、患者を渡したくない
- 原因や病名が不明で、どの先生がよいか判断できず、やみくもに紹介できない
- 「経過観察」で紹介の必要がないと判断されている
- 患者が「ドクターショッピング」になっていると判断されている(指示に従わなかったり、精神的に問題があり大病院を紹介できない)
このように、医師そのものに問題があることがある一方、患者側にも問題があるので紹介状を作成できないケースもあります。とくに、思い込みが強く医師の説明を聞かなかったり、服薬や生活上の注意を守らない、問診にまじめに答えようとしない、などの場合、どこにも紹介することができません。
気軽に紹介状を書いてくれるのはよい医師?
とくに問題がない場合、医師は気軽に紹介状を書いてくれることがありますが、だからといっていい医師とは限りません。紹介状のなかには「そちらの病院を希望しています」「痛いと訴えています」など、まともな内容が書かれていないものも存在します。これでは正確な診療情報を提供することができません。
紹介状は医師宛てなので、基本的に患者さんは中身を見ることができません。改ざん防止を目的に封をしているので、開封した跡があると内容の信頼性は下がってしまいます。そして、「なぜ開封されているのか」という電話照会がなされ、「そういうことをする患者」とみなされて、医師との信頼関係もなくなってしまいます。
もし内容が気になる場合は、次の医療機関の医師に、紹介状にどんなことが書かれているのか聞いて中身を確認するとよいでしょう。「紹介状のコピーが欲しい」といえば、引き受けてくれることもあります。
そして、紹介状の内容を確かめれば、自分にとっていい医師なのかわかります。以前は如何わしい医師だと、患者の悪口とまではいきませんが、ひどい内容を書いていたこともあるようです。
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