腎臓病の予防と食事療法

腎臓病の治療・食事療法記事一覧

腎臓病の治療に関しては、薬物療法、食事療法、生活指導を中心に行われています。腎臓病患者は腎機能が低下しているので、機能の回復につとめていかなければなりません。薬物療法薬物療法は、名前の通りに薬を使って症状を抑えたり、病気の原因となっているものを除去していく治療法です。腎臓の炎症を抑える薬、高血圧を下げる薬、むくみを解消する薬など、さまざまな薬が使われます。腎炎・ネフローゼ症候群の治療に使用される薬...

腎臓病患者にとっては、毎日食べている食事の献立やメニューを、腎臓の症状に合わせて考えていくことが重要となります。不摂生な食生活から体内に入るたんぱく質、塩分、カリウム、リンなどの栄養成分によって、腎臓の機能は悪化します。腎臓の負担を少しでも軽くし、機能を回復して長期間使っていくには、食事療法が必要となります。以前までは、患者の食事は自由食でもよいのではないかという意見もみられていましたが、良い状態...

腎臓病の患者さんは、たんぱく質を含んだ食品を制限することがありますが、それだと糖質や脂質もとらないことになるので、エネルギー不足が心配されます。また、必要な量のたんぱく質をとらないと、血液や筋肉など全身の細胞組織を維持していくことができなくなります。したがって、腎臓病の食事療法では、1日の摂取量を定めて、炭水化物を多く含む食品、たんぱく質を多く含む食品、たんぱく質を含まずに糖質や脂質を多く含む食品...

腎臓からのリンの排泄量が減少すると・・リンは、カルシウムと結合して歯や骨を形成したり、遺伝子の核酸を構成するなど、体にとってはとても重要な栄養素です。しかし、腎機能が低下している腎不全患者では、糸球体濾過値の低下で腎臓からのリンの排泄量が減少してしまうため、高リン血症がみられるようになります。高リン血症が続くようになると、骨代謝障害や二次性副甲状腺機能亢進症が引き起こされるようになります。このよう...

腎機能が低下すると高カリウム血症にカリウムは腎臓から排出されるため、腎臓病で腎機能が低下すると、血液中のカリウムの濃度が上昇して高カリウム血症になります。透析者の急死例のなかには、高カリウム血症で不整脈を起こして心肺停止になったものもみられます。このため、腎不全やその他の病気でカリウムの排泄に異常がある場合は、カリウムの摂取を制限していかなければなりません。1日のカリウム摂取量は、2000mg以下...

人間の体にとって塩分は、浸透圧を調整して細胞外液量をととのえるという重要な働きをもっています。食事の際の味付けにもなくてはならない調味料です。しかし、塩分を取りすぎると、それを排泄している腎臓の負担を大きくして、高血圧になり動脈硬化を促進させてしまいます。日本人の塩分のとりすぎは、ずいぶん前からも指摘されています。現在でも多くの人が平均して1日に約12gの塩分をとっています。欧米型の食事が中心とな...

近年では、糖尿病患者が著しく増加しており、その合併症の1つである糖尿病性腎症を原疾患とする透析患者が大幅に増えています。糖尿病性腎症の治療においては、食事療法がきわめて重要になってきます。厚生労働省糖尿病調査研究班では、以下の表のように糖尿病性腎症を病期分類しています。【糖尿病性腎症の病期分類】注)@診察にあたっては、糖尿病性腎症早期診断基準を参照A第2期では正常血圧者でも時に血圧上昇をみとめるこ...

食事療法に関する問題点日本では高齢化の影響もあって、透析患者も高齢者の割合が大きくなっています。高齢透析者の増加は今後も続いていくと予想されるので、高齢透析者の食事療法は重要な課題となってきます。とくに次のような問題点が発生してきます。このような問題点を解決しながら食事療法を進めていかなければなりません。1.長い間の食習慣の嗜好から抜け出すのが困難高齢者は今まで生きてきた長期間にわたって、独自の食...

CKDの進行を抑えるためには、どうしても生活習慣の見直しが必要になります。長年染み付いた生活習慣を変えるというのは相当しんどいと思いますが、自分で改善していかないと腎機能はどんどん低下してしまいます。体重計で毎日体重をチェック腎臓病食、とくに低たんぱく食品を摂取している患者さんは、たんぱく質欠乏による栄養障害が起こっていないか気をつけなければなりません。体重減少が見られれば、これは栄養障害を起こし...