自分の腎臓は自分で守る セルフケアが大事!
CKDの進行を抑えるためには、どうしても生活習慣の見直しが必要になります。
長年染み付いた生活習慣を変えるというのは相当しんどいと思いますが、自分で改善していかないと腎機能はどんどん低下してしまいます。
体重計で毎日体重をチェック
腎臓病食、とくに低たんぱく食品を摂取している患者さんは、たんぱく質欠乏による栄養障害が起こっていないか気をつけなければなりません。
体重減少が見られれば、これは栄養障害を起こして筋肉量が減ってきていることがほとんどです。
体重は診療時に測りますが、自宅でも毎日チェックして変化を記録しておくと、栄養障害やむくみが起こったときに対処が早くなります。自宅に体重計がない方は、デジタル表示で細かく測れる体重計を購入しましょう。
体重が減ってきたら栄養障害を起こしている可能性があるので、医師の指示でたんぱく質やエネルギーの摂取量を増やしていきます。
活動量のチェック
運動は大切ですが、活動量が多すぎるとかえって腎臓への負担も大きくなります。病気になった腎臓は、活動量の増加に敏感になっていて、まだ症状が進行していない軽い時期でも、腎機能が一時期的に下がるという報告があります。
仕事での重労働が腎臓に悪影響を与えていることがあるので、疲れすぎないように内容を見直していかなければなりません。適度な運動は筋力を保つために必要なので、ジョギングなどは続けましょう。
睡眠は7時間確保
忙しい現代人は睡眠時間もなかなか取れない人が多いですが、腎臓のためにも7時間は確保してほしいものです。眠りが浅いと、夜間に下がるべき血圧が十分に下がりません。
夜間に3回以上排尿で起きてしまうのは何らかの異常があるので、薬で抑える必要があります。
タバコはすぐやめる、お酒は適量を守る
まずタバコを吸っている方はすぐやめてください。喫煙は体にさまざまな悪影響を及ぼしますが、とくにCKDの進行を促して、尿たんぱくを増やしてしまいます。
自分でやめることができない場合は、禁煙外来などを利用して環境を変えていくしかありません。
一方お酒については、禁酒ではなく適量なら飲んでもかまいません。適量のアルコールはストレスを減らす手段にもなります。ビールなら540ml、日本酒は1合弱、ワインは200ml程度が適量となります。
脱水症状、感染症に注意
CKDの患者さんは、夏と冬の過ごし方にはとくに注意する必要があります。夏は発汗で脱水症状があらわれやすい季節で、体を流れる血液が減って、腎臓への血流も減り大きな負担をかけてしまうのです。
これは水分を補給していくことで防げます。腎機能が極端に低下している人を除いて、喉が渇いたらすぐに水を飲みましょう。
冬には、かぜやインフルエンザなどの感染症に注意をはらいます。高熱が数日続くと腎機能が低下してしまうかもしれません。薬の服用は医師に相談して決めましょう。
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自分で体は自分で守る!セルフケアのポイント関連エントリー
- 腎臓病の治療/薬物療法・食事療法・生活指導
- 腎臓病の治療は、薬物療法、食事療法、生活指導を中心に行われます。腎臓の負担を軽くして、腎機能の回復につとめます。具体的な内容は病状によって異なります。
- 食事療法の必要性について
- まずは、なぜ食事療法が必要なのかを整理しておきましょう。腎臓病患者が良い状態を維持していくためには、適切な栄養管理が必要となります。
- エネルギーの摂取の工夫と1日の献立
- 腎臓病の患者は、たんぱく質を含んだ食品の制限によってエネルギー不足となる心配があります。たんぱく質の過剰摂取とならずに、エネルギーを十分に確保することが重要です。
- リンの制限と低リン食品について
- 腎機能が低下すると、腎臓からのリンの排泄量が減少して、高リン血症などがみられます。リンの摂取を制限するためには、低リン食などを利用するとよいでしょう。
- カリウムの制限と摂取の工夫
- 腎臓病で腎機能が低下すると、高カリウム血症になるおそれがあります。カリウムは多くの食品に含まれているので、食事療法によって制限をしていかなければなりません。
- 塩分(ナトリウム)の制限
- 日本人は塩分の取りすぎが指摘されています。とくに腎臓病の患者は、症状に応じて塩分の制限が必要になります。
- 糖尿病性腎症患者の食事療法
- 糖尿病性腎症患者の食事療法の実際と問題点について紹介しています。とくに、視力障害がある患者さんについては、食事への配慮が必要となります。
- 高齢透析患者の食事療法
- 高齢者の場合は、食事療法にも別の問題点が発生します。家族や介護者などの協力者は、必要な栄養を取れるように工夫してあげなければなりません。