腎臓病の治療/薬物療法・食事療法・生活指導

腎臓病の治療の基本について

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腎臓病の治療に関しては、薬物療法、食事療法、生活指導を中心に行われています。

 

腎臓病患者は腎機能が低下しているので、機能の回復につとめていかなければなりません。

 

薬物療法

 

薬物療法は、名前の通りに薬を使って症状を抑えたり、病気の原因となっているものを除去していく治療法です。

 

腎臓の炎症を抑える薬、高血圧を下げる薬、むくみを解消する薬など、さまざまな薬が使われます。

 

腎炎・ネフローゼ症候群の治療に使用される薬
  • 副腎皮質ステロイド(副腎皮質ホルモン)
  • 免疫抑制薬
  • 抗血小板薬・抗血液凝固薬

 

高血圧の治療に使用される薬
  • カルシウム拮抗薬
  • 利尿降圧剤
  • 交感神経抑制薬
  • 血管拡張剤

 

むくみの解消に使用される薬
  • ループ利尿薬
  • サイアザイド系利尿薬
  • 抗アルドステロン薬

 

食事療法

 

食事療法は、現在の腎臓病治療の要にもなっています。糖尿病の食事療法では、血糖値の上昇を防ぐためにカロリー摂取を計算していきますが、腎臓病では、腎臓の負担にならない献立の食生活に改善して、腎臓の機能を維持させることが目的となります。

 

そのためには、たんぱく質、塩分、カリウム、リンなどを多く含む食品の摂取が制限されることになります。

 

制限される栄養素や量は、腎臓病の種類や患者さんの病状などによっても異なります。主治医とよく相談して内容を決めていきましょう。

 

また、最近では腎臓病食(低リン食品、低たんぱく食品など)を届けてくれるサービスも登場してきています。医師と相談してこれらを利用する方法もよいかもしれません。

 

生活指導

 

生活指導に関しては、とくに運動に関する指導を受けることになります。運動と腎機能への影響についはまだ解明されていない部分もありますが、病気の活動が激しい時期には運動を控えなければなりません。

 

尿や血液検査で、血尿やたんぱく尿が出ていたときは、運動制限が加えられます。

 

ただし、小児の腎臓病の場合は、運動制限をすることで身体的に悪影響が現れることも考えられます。この点については、医師とよく相談して決めていくことが大切です。

 

 
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腎臓病の治療/薬物療法・食事療法・生活指導関連エントリー

食事療法の必要性について
まずは、なぜ食事療法が必要なのかを整理しておきましょう。腎臓病患者が良い状態を維持していくためには、適切な栄養管理が必要となります。
エネルギーの摂取の工夫と1日の献立
腎臓病の患者は、たんぱく質を含んだ食品の制限によってエネルギー不足となる心配があります。たんぱく質の過剰摂取とならずに、エネルギーを十分に確保することが重要です。
リンの制限と低リン食品について
腎機能が低下すると、腎臓からのリンの排泄量が減少して、高リン血症などがみられます。リンの摂取を制限するためには、低リン食などを利用するとよいでしょう。
カリウムの制限と摂取の工夫
腎臓病で腎機能が低下すると、高カリウム血症になるおそれがあります。カリウムは多くの食品に含まれているので、食事療法によって制限をしていかなければなりません。
塩分(ナトリウム)の制限
日本人は塩分の取りすぎが指摘されています。とくに腎臓病の患者は、症状に応じて塩分の制限が必要になります。
糖尿病性腎症患者の食事療法
糖尿病性腎症患者の食事療法の実際と問題点について紹介しています。とくに、視力障害がある患者さんについては、食事への配慮が必要となります。
高齢透析患者の食事療法
高齢者の場合は、食事療法にも別の問題点が発生します。家族や介護者などの協力者は、必要な栄養を取れるように工夫してあげなければなりません。
自分で体は自分で守る!セルフケアのポイント
腎臓病になっても治療を全て医者に任せるというのではいけません。自分でできることも多くあるので、少しでも改善するように工夫していきましょう。