食道がんの最新治療法とその開発

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食道がんの最新治療法

診療科の枠を超えた連携

 

いままでのがん治療では、手術を行う外科医の主導により、1つの診療科のなかで行われる傾向がありました。これからは、手術を行う外科、抗がん剤治療を行う内科、放射線治療をする放射線科による、診療科の枠を超えた連携によって治療が進められていくようになります。

 

 

治療法も1つの方法だけではなく、いくつかの方法を組み合わせたもの(例:手術+放射線化学療法など)により、それぞれの治療のデメリットを補う手法がとられるようになっています。

 

 

遺伝子治療

 

2000年12月より、千葉大学で世界で初めて、食道がんに対する遺伝子治療の研究が行われるようになりました。遺伝子治療は、がん抑制遺伝子を組み込んだウイルスを、がん細胞に感染させ、がんを攻撃・死滅させることを目的としています。

 

 

手術ではがんを切除不能であり、他の治療法を試みても効果が薄い進行性の食道がんの患者さんに対する方法として期待されています。

 

 

ただし、遺伝子治療を行った事例は非常に少なく、治療効果や成績に関しては、もう少しデータを集めなければなりません。アメリカでは遺伝子治療の研究が打ち切られていますが、日本では遺伝子操作の技術を駆使して開発が進められています。

 

 

放射線の3次元照射

 

放射線治療では、できるだけがん細胞に放射線を当てるようにし、正常な細胞には当たらないようにしなければなりません。食道の近くにある肺や心臓に当たってしまうと、後から重大な副作用を起こす危険性があるためです。

 

 

この問題を解決する方法が3次元照射です。他の臓器に放射線が当たらないように、多方向からがんだけを狙うことが可能になります。

 

 

分子標的治療

 

分子標的治療とは、がん細胞だけにある異常な分子を狙っていく治療法です。すでに肺がん治療などで使われており、イレッサ(一般的にはゲフィチニブ)があります。がんの縮小や生存率の向上の目的のために、研究が進められています。

 

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