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残尿、頻尿、痛みなどが起こる

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高齢者や子宮がんの手術を受けた方に多いのが、排尿障害です。とくに子宮の周りを広く切除する広汎子宮全摘術をうけた場合に、排尿障害が起こりやすくなるといわれています。放射線治療でも、膀胱などの組織に放射線を浴びてしまって起こる場合があります。

 

排尿障害といってもその症状はさまざまです。以下のようなものがあります。

 

  • 尿が出にくくなる(排尿困難)
  • 尿が出る回数が多い(頻尿)
  • 尿がもれる(尿失禁)
  • 排尿時に痛みがある(排尿時痛)
  • 排尿後もトイレに行きたくなる(残尿感)

 

最近では、専門医の間でも排尿障害を減らそうとする意識が高まっています。ほとんどの病院では、入院中にカテーテルを尿道に挿入して、尿を膀胱から出すための残尿測定を行っています。

 

また、本人の膀胱訓練と「障害を克服したい」という意思が重要となります。尿意がなくても一定の時間ごとにトイレに行って、腹圧によって尿を出す訓練を行います。自力で排尿できるようになれば、ひとまず退院することができます。

 

細菌感染して膀胱炎を起こすこともある

 

退院後も排尿がうまくいかずに残尿が続いた場合、尿道から細菌感染が起こることがあります。すると、膀胱炎になってしまうことがあります。

 

発熱もみられるときには、感染が腎盂(じんう)まで広がって、腎盂腎炎水腎症にかかっている可能性もあります。

 

排尿時に強い痛みがある、尿が濁っているような感じがするときは、すぐに受診するようにしてください。

治療とケアについて

排尿障害の回復については、本人の体質や骨盤底筋の強さなどで個人差があります。
ほとんどは時間の経過とともに、じょじょに解消されてきます。

 

医師からは内服薬を処方されることもあります。とくに尿失禁の場合、膀胱平滑筋を緩ませる薬物療法が治療の中心となります。

 

また、自己導尿の指導を受けることもあります。これは自分で尿道にカテーテルを入れて排尿していく方法です。指導後は自宅で実践することになりますが、雑菌がつかないように器具の管理がポイントになります。いつも清潔を保つように心がけてください。

 

排尿障害のケアには以下のようなものもあります。

  • 尿意がなくても、決まった時間にトイレに行く
  • 寝る前は水分をあまりとらないようにする
  • 骨盤底筋を鍛える体操をする
  • 排尿日誌をつけて、排尿状態をしっかり観察する
  • 尿もれ用パッドを利用してみる
  • 下半身を冷やさないようにする
  • ゆったり入浴して、全身の血行をよくする
  • コレステロールの多い食事は控える

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