頭部神経痛の原因と治療法
頭部神経痛の原因となっている神経
頭部神経痛に関係しているのは、顔面に3本、後頭部に3本ある神経です。このうちのどれかが原因となって神経痛を起こします。顔面の神経を三叉神経、後頭部の神経を後頭神経といいます。
顔面
- 三叉神経第T枝
眉から前頭部にかけて分布
- 三叉神経第U枝
頬からこめかみにかけて分布
- 三叉神経第V枝
あごに分布
後頭部
- 小後頭神経
後頭部の左または右寄りに分布
- 大後頭神経
後頭部の中心に分布
- 大耳介神経
耳寄りに分布
また、頭部神経痛のほかの原因には、筋肉のこりによる圧迫や、頭部の神経が血管や骨によって圧迫されていることなどの理由が考えられています。しかし、詳しい原因はまだ分かっていません。
圧痛点とは?
痛みが起こっている範囲のなかで、押すと痛む部分がありますが、これを圧痛点といいます。神経の走行の起点にあたる部分が圧痛点になります。
頭部神経痛の診断の手がかりとして、圧痛点の有無は重要になっています。
頭部神経痛の治療法
頭部神経痛の痛みにもっともよく用いられる薬は、抗てんかん薬とビタミンB12になります。
抗てんかん薬は、神経細胞の異常興奮を鎮める作用があると考えられています。頭部神経痛の患者の約半数の人が、痛みを軽減することに成功しています。
ビタミンB12は、静脈注射で投与すると、痛みが軽くなることが分かっています。ただ、すぐに効果がなくなる人や、しばらくの間は痛みがなくなる人などに分かれます。抗てんかん薬の副作用で使用できない人によく用いられています。
神経ブロックという治療法は、圧痛点に直接麻酔を打って痛みを抑える方法です。強い痛みに有効で、効果が数日間持続します。ただし、繰り返して何度も注射すると、逆に持続する痛みが出ることがあるので、医師と相談することが必要です。
また、血管と神経を剥離させる脳外科手術もあります。この手術によって、約80%の患者が痛みを抑えることに成功しています。頭痛に対して外科手術を望まない患者も多くいますが、原因が血管の圧迫によるものと判明した場合には有効な治療法だといえます。
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