子どもの腎臓病の治療は成長を考慮する
子どもの腎臓病の治療法も、基本的には大人の腎臓病の治療と同じです。安静に過ごし、食事や運動制限を行い、薬物療法を用いていきます。
ただし、子どもの場合は成長期にあるため、そのことを十分に考慮していかなければなりません。
心配のあまりに過度な運動制限や食事制限を行うと、大きなストレスがかかり、心身の成長に影響を与えてしまいます。
病気の治療も大切ですが、日常生活の送り方にあまり神経質にならないことも重要となります。両親と腎臓専門医がよく連携して、いつでも相談できるような体制にしておきましょう。
学校検尿で陽性と判断された場合
学校検尿でたんぱく尿や血尿が出て陽性の結果が出た場合、保護者は次のような点に注意しなければなりません。
血尿のみで、たんぱく尿がない
数ヶ月に一度、腎臓専門医による尿検査を受けましょう。
血尿はないが、たんぱく尿が出ている
この場合は必ずしも腎炎と決まったわけではありません。健康な小児にある起立性たんぱく尿の可能性もあります。起立性たんぱく尿は、昼間に立っているときにたんぱく尿が出るもので、病気ではありません。
前回の検査では血尿のみだったが、今回の検査でたんぱく尿、血尿ともに出ている
腎炎が悪化してしまったおそれがります。激しい運動は避けるようにして、専門医の受診が必要です。
たんぱく尿、血尿ともに出ている
専門医に診察してもらい、腎臓病の治療が必要となります。腎機能検査、血液検査、尿検査を行っていきます。
腎臓病の子どもへの腎臓提供について
親が子どもへ腎臓を提供したいという場合、まずは親の健康状態を確認することが最重要となります。本人の生活に支障が出てきてはならないためです。
十分に検査を行って、とくに健康に問題がなければ、子どもへの生体腎移植が行われます。
提供者の年齢については、負担がまだ軽い50歳以下がよいでしょう。日本臓器移植ネットワークでは、内臓を提供する年齢の上限は、
- 腎臓、肝臓・・・70歳以下
- 心臓、膵臓、小腸など・・・60歳以下
が望ましいとしています。
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