血液検査で肝機能を調べる

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血液検査で肝機能を調べる

3種類の血液検査

 

血液検査の主な目的は、肝機能の状態を調べることです。他にも、B型・C型肝炎のウイルス感染の有無、がん細胞の有無などを調べることもできます。

 

 

血液には、肝臓から排出されたさまざまな物質が含まれているために、直接肝臓を調べなくても分かるのです。検査は、注射器で採血をして、血液成分を生化学検査にかけていきます。

 

 

同じ採血でも、病気の段階によって検査目的が異なり、分析する内容も細かくなります。大きく分けて3種類の血液検査があります。

 

 

●スクリーニング

 

地域や会社でおこなわれている健康診断で、大勢の人をふるいにかけていきます。自覚症状がない人のウイルス感染や、肝機能障害がある人を発見することができます。

 

●ウイルスチェック

 

スクリーニングなどで、ウイルス反応が陽性と診断された人が受けます。血液検査でウイルス感染の有無を詳しく調べていきます。

 

●肝臓病の検査

 

肝機能障害があると診断された人を対象に、より詳しく検査していきます。肝臓の状態をみていきます。

 

 

GOT・GPT値で肝機能がわかる

 

肝機能は、GOT・GPTという酵素の量を調べることで分かります。肝障害が起こっている場合には、これらの数値が増加します。

 

 

【主な検査数値の標準値と意味】
(名前 / 標準値 / 意味)

 

・GOT / 5〜40lU/l / 肝障害時に放出される酵素で、GOTがGPTの2倍以上でがんの疑いがあります。

 

・GPT / 3〜35lU/l / GOTがGPTの2倍以上でがんの疑いがあります。

 

・ビリルビン / 0.2〜1.2mg/dl / 通常は肝臓で加工される色素ですが、肝障害があると血中へ流れていきます。

 

・アルブミン / 4.1〜5.1g/dl / 血中で運搬をしているたんぱく質で、肝障害の場合は数値が低下します。

 

・ICG / 10%以下 / これは検査用の色素で、血中に流し込みます。肝機能が低下していると、処理されずに残ります。

 

・プロトロンビン / 11〜13秒 / 血液を凝固させる因子で、肝機能が低下すると凝固に時間がかかるようになります。

 

AFP(腫瘍マーカー) / 陰性or陽性 / 肝臓がんによって生成される糖タンパクです。通常は体内には存在しません。

 

PIVKA-U(腫瘍マーカー) / 陰性or陽性 / がんの有無に関わっている異常プロトロンビンです。ビタミンKの不足によってつくられます。

 

 

検査の結果、腫瘍マーカーが陽性を示した場合は、がんが発生している可能性がきわめて高くなります。血液検査では、がんの有無を知ることができるのみで、がんの詳細(大きさ、形、位置)までは分かりません。

 

超音波やCT検査など、さらに精密な検査を行っていきます。

 

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