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肝硬変と全身症状への対処
肝硬変で起こるさまざまな合併症
肝硬変を発病すると、肝障害により肝機能が著しく低下してしまいます。その結果、血中にある老廃物や有毒物質を処理することができなくなるために、全身にさまざまな異常があらわれてきます。
全身症状は、直接には新たながんを引き起こす要因にはなりませんが、重い症状の場合、生活に支障をきたすことがあります。肝硬変の治療では、肝機能の維持とともに、これらの全身症状への対処も必要になってきます。
各合併症の治療法
・糖尿病
糖の処理が低下するために、糖尿病を引き起こします。とくに、血糖値を下げるインスリンの作用が低下するC型肝炎では、糖尿病を発病しやすくなっています。インスリン注射を打ったり、食事療法で対処していきます。
・胃炎・胃潰瘍
肝障害の影響で、胃の粘膜が傷つきやすくなり、胃炎や胃潰瘍が起きやすくなります。薬物療法で対処していきます。
・肝性脳症
血中の老廃物を処理しきれなくなると、血管を通じて脳にも影響が発生します。とくに、便秘で老廃物がたまると発病しやすいので、便通には注意しておきましょう。薬物療法で対処していきます。
・食道・胃静脈瘤
肝臓をめぐる血流が悪くなると、血液が食道や胃の静脈へ向かいます。その結果、静脈が広がってコブができ、血管壁がうすくなります。静脈瘤が破裂して出血するまでに、治療をすすめていきます。患部をしばって血管を壊死させる対処法が一般的です。
なお、食道静脈瘤は、肝硬変の患者さんの約2割にみられます。
・黄疸
血中の色素が代謝できなくなり、かゆみが出てきます。顔などの皮膚が黄色くなります。薬物療法で対処していきます。
・肝腎症
肝機能低下による血液の処理によって、腎臓にダメージを与えます。腎機能が落ちると、むくみなどの症状があらわれます。薬物療法で対処します。
・浮腫・腹水
腎臓からの塩分の排出が悪くなると、体内に水分が溜まるようになります。その結果、浮腫(むくみ)や腹水がみられるようになります。進行すると消化不良の原因になります。水分・塩分の摂取制限や利尿剤の投与などで対処していきます。
・赤斑(せきはん)
胸や手にクモ状の血管腫が出ることがあります。血液が固まらなくなるため、止血が困難になります。薬物療法で対処していきます。
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肝硬変と全身症状への対処関連エントリー
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