聴神経腫瘍

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聴神経腫瘍

片側の耳だけに起こる耳鳴りや難聴

 

片方の耳に耳鳴りや難聴などの症状が出て、もう一方の耳はまったく症状がないという場合、腫瘍による圧迫が原因になっていることがあります。この病気は「聴神経腫瘍」といい、聴神経のなかでも平衡感覚を伝える前庭神経によく腫瘍ができます。

 

聴神経腫瘍は脳腫瘍の一種ですが、体の他の部位に転移することはなく、良性の腫瘍です。しかし、放置して腫瘍が大きくなると、前庭神経だけでなく、音の情報を伝える蝸牛神経や、顔面神経、さらには小脳までも圧迫する危険性があります。

 

そのため、めまいや耳鳴り、難聴がひどくなり、聴力を失うおそれもあります。まれに顔面神経のマヒ、運動障害などを引き起こすこともあります。

 

耳鼻咽喉科を受診して聴神経腫瘍があることがわかったら、手術で取り除かなければなりません。腫瘍が大きくなると手術もむずかしくなるので、早めに治療をしなければなりません。

 

治療の進め方

 

診断

聴力検査、画像検査、めまい検査をおこなっていきます。ほかに聴性脳幹反応検査をする場合もあります。
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手術

腫瘍を摘出するための手術をします。ただし、高齢者の場合などは、すぐに手術をせずに様子をみたり(経過観察)、放射線治療で腫瘍の成長を抑えることもあります。入院期間は約2週間になります。

 

腫瘍の大きさが10mmほどの小さなものならば、耳鼻咽喉科で手術できます。大きな腫瘍になった場合、脳神経外科で手術をしていきます。
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回復

早期発見ならば聴力が回復します。完全に腫瘍を摘出できれば、再発する心配もありません。

 

ウイルスが聴神経を冒すことも

 

あまり事例は多くありませんが、ウイルスが聴神経を冒してしまうこともあります。水痘・帯状疱疹ウイルスといい、神経細胞の中にひそみ、免疫力が低下すると活性化します。

 

水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となって発症する病気は、耳性帯状疱疹(じせいたいじょうほうしん)といいます。皮膚に発疹ができ、難聴や顔面神経マヒを引き起こします。治療には抗ウイルス薬が有効です。

 

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