肺がんの手術後の合併症について

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肺がんの手術後の合併症について

手術は肺がんの一般的な治療法の1つですが、体に大きく負担もかかります。そして注意しないといけないのは、術後の合併症です。最悪の場合は、手術が原因で命を失う可能性もあります。

 

しかし、だからといって無駄に心配する必要はありません。医療技術や管理方法などが進歩しており、手術で死亡する確率は低下しています。

 

■肺がん手術の死亡率(1994年、日本国内)
・肺全摘術・・・3.2%
・肺葉切除術・・・1.2%
・葉切未満・・・0.8%

 

 

合併症のリスクは、患者さんの健康状態、生活習慣によっても変わってきます。現在も喫煙を続けていたり、高齢である場合や、肺ガンの他に糖尿病・肝臓病・腎臓病などの病気をもっているときはリスクが高まります。

 

合併症はすべての患者さんに起こるわけではありません。しかし、軽度の合併症が4割、重大な合併症の発症が2割という報告もあります。そこで、どんな合併症があるのかを事前に知っておくとよいでしょう。

 

軽度の合併症

 

出血

出血は経過をみるだけでよいこともありますが、多量に出るなど、場合によっては輸血を行います。

 

声のかすれ

声がかすれるのは、声帯をコントロールする神経が麻痺しているのが原因です。時間経過で自然に治ります。

 

肺ろう

肺胞から空気が漏れることです。多くの場合は自然に治ります。

 

無気肺

痰が気管支をふさぐと起こります。痰の排出で防ぎましょう。無気肺は肺炎に移行することもあるので要注意です。

 

重大な合併症

 

肺炎

痰の排出を怠ると起こります。呼吸不全になることもあります。

 

肺塞栓

寝たきりの状態が長期にわたって続くと起こります。姿勢が同じままなのでエコノミークラス症候群と似たような振る舞いをします。

 

気管支ろう

気管支を縫い合わせた部位が開いた状態です。胸に膿がたまるおそれがあるので、場合によっては手術を検討します。

 

脳梗塞・心筋梗塞

高齢などで動脈硬化が進行している患者さんに起こります。

 

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