化学療法が効果的な肺ガンのタイプとは?

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小細胞肺がんには高確率で縮小効果が

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肺ガンのタイプが進行が速い小細胞肺がんであれば、2、3種類の抗がん剤を組み合わせて治療していきます。

 

薬を使う化学療法はとくに小細胞肺がんに有効で、8割ほどの確率で縮小効果が得られるという結果があります。進行が速いということは、細胞に抗がん剤がよく反応しやすいということにもなります。

 

ただし、患者さんの著しい体力低下や健康状態の悪化がみられる場合は、化学療法自体を行わない場合もあります。

 

進み具合による違い

 

小細胞肺がんの化学療法も、がんの進行度合いによって多少異なってきます。病巣が広がっているものを進展型といい、病巣が限られた一部の範囲にとどまっているものを限局型といいます。

 

  • 進展型・・・化学療法のみを使って治療をすすめていきます。7、8割ほどはがんが半分にまで縮小します。生存率は、1年では約50%、3年では10%ほどになります。シスプラチンもしくはカルボプラチンとイリノテカン、またはエトポシドの併用で抗がん剤を使用していきます。
  • 限局型・・・化学療法と胸部放射線療法の2つを使って治療をすすめていきます。9割ほどはがんが半分以下に縮小します。4割ほどの確率でほぼ消滅します。生存率は、1年では約70%、3年では30%ほどになります。シスプラチン、エトポシドという抗がん剤を使います。

 

なお、化学療法でがんが縮小・消失した場合でも、患者さんにはがんの再発が見られる場合があります。治療効果を上げるために、2,3ヶ月後の再発の場合には、再び化学療法を行っていくこともあります。

非小細胞肺がんには効果は薄い

小細胞肺がん以外のがんとしてまとめられている非小細胞肺がんには、化学療法の効果はあまり高くありません。それでは、どのような場合に化学療法を検討するのかというと、病期がV期かW期であるか手術後にがんが再発してしまったときになります。

 

V期では、手術での治療が難しい場合に、健康状態を詳しく調べてから問題がないようなら化学療法をおこないます。放射線治療と併用して効果を高めることもあります。W期でも、患者さんの負担が大きくならなければ化学療法をおこなっていく場合があります。

 

手術後の生存率を上げるためにも、補助的に抗がん剤を用いるケースもあります。服用によって3年〜5年ほど生存率がアップしたという報告もあり、今後も研究の成果によって効果が期待できるかもしれません。

 

化学療法の治療費用の目安(10割)

 

小細胞がんの術後補助化学療法

シスプラチン + エトポシド(4週間) ¥30,000〜32,000

 

非小細胞がんの術後補助化学療法

テガフール・ウラシル配合剤(UFT)のみ(1年間) ¥355,000
シスプラチン + ビノレルビン(4週間) ¥30,000〜38,000
カルボプラチン + ペメトレキセド(4週間) ¥332,000〜376,000
ゲフィチニブのみ(4週間) ¥188,000

 

※体表面積により投与量が決まるため、同じ抗がん剤でも体の大きさによって費用が異なることがあります。

 

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