肺がんの放射線療法と化学療法での注意点

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放射線療法の注意点

放射線療法は、高エネルギーの放射線を照射して、がん細胞を攻撃し増殖を抑えるというものです。照射中には痛みはなく、放射線を感じることもありませんが、以下のような点には気をつけましょう。

 

放射線照射中は動かないようにする

 

照射中は、必要のない部位に当たらないように、じっと動かないようにしなければなりません。もし、体調が悪いときや、痛みなどでずっと同じ姿勢を保っているのがつらい場合は、前もって医師や担当の放射線技師に連絡しておいてください。治療前に鎮痛剤などで対応することができます。

 

なお、放射線を照射している様子は、医師や技師が外からモニターで確認しています。希望すれば、家族もモニターで見ることもできるようになります。

 

照射すると皮膚が過敏になる

 

放射線を照射する部位には、インクで皮膚にマークが付けられます。そのため、日常生活、とくに入浴中に消さないように注意しましょう。

 

また、照射された部位の皮膚は過敏になってます。石けんやボディシャンプーなどでは洗わずに、軽くシャワーで流す程度にしましょう。肌着は摩擦が少なく柔らかいもので、吸湿性の高い木綿などを着るようにします。

 

普段から肌に、クリームや湿布などを使っている人は、治療中は使わないようにします。怪我をしても、絆創膏(ばんそうこう)を張るのも控えたほうがよいでしょう。

 

皮膚に湿疹やかゆみなどの症状があらわれたときは、すぐに医師に相談するようにしましょう。

 

疲労感が増すこともある

 

放射線治療の期間中には、とくに運動や食事に制限はありません。ただし、照射回数が増えていくと、体の疲労感が増してくることがあります。運動をしている方は、やや影響がでることもあります。

 

他にも、照射した部位によっては、胸焼けや飲み込みにくさを感じることもあります。このような場合は、食道の粘膜に炎症が起こっていると考えられるので、医師から粘膜を保護する薬を処方してもらうようにします。

化学療法の注意点

化学療法は、がん細胞の増殖を抑える抗がん剤を、注射や点滴で体内に注入したり、内服する治療法です。以下のような点に注意していきましょう。

 

薬の管理はしっかりと

 

内服薬では、抗がん剤以外にもいくつかの種類の薬が処方されていると、薬を紛失したり、飲んでいる薬が分からなくなってしまうことがあります。

 

このような事態を避けるには、どのような薬を飲んだのかをしっかりと管理しておき、薬を小分けできるケース(ピルケース)を用意しておきます。ピルケースは市販されているので、薬局などで手に入れましょう。

 

自分の判断で服用をやめない

 

処方された内服用の抗がん剤は、医師が患者の病状からもっとも適切な量と種類の薬を選んでいます。よって、自分の判断で内服をやめてしまうと、回復が遅れたり、予期せぬ結果を招くことにつながりかねません。

 

もしも、抗がん剤の服用中に不快な症状が強く出たときには、すぐに医師や看護師に伝えるようにしましょう。適切な対応をとってくれます。

 

また、薬の服用をやめたい場合は、思い切って医師に相談することも必要です。副作用に悩む方も多く、服用をやめることによってかえって元気になった人もいます。いずれにせよ、ひとりで悩むのは避けましょう。

 

注射や点滴の液漏れに注意

 

点滴や注射の場合、針を刺したところが、ずっと痛んだり、赤くはれてくることがあります。これは薬が血管の外に漏れている可能性があります。

 

抗がん剤は、正常な細胞にも毒性があり、悪化すると皮膚が壊死してしまうこともあります。ただちに点滴をやめて、適切な処置をしていかなければなりません。気づいたら、まずは医師や看護師に伝えるようにします。

 

とくに、トイレに立つときには、点滴のチューブがひっぱられたり、針先がずれてしまうことがあるので、注意して行動するようにします。

 

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