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自宅でも患者さんが動きやすい環境づくりを
退院後の患者さんにとっては、生活のすべてがリハビリになります。しかし、住環境が以前のままの場合、不便なことが多く体を動かしたりする機会が減って、身体機能の低下につながってしまうおそれがあります。
退院する時期が決定したら、自宅に戻るまでに家の中を整えて、少しでも自立した生活を送れるように準備しておきましょう。
安全な環境づくり
室内が散らかった状態では転倒の原因になるので、要らないものは整理整頓して片づけましょう。延長コードやパソコンのLANケーブルをはわせている場合は、ガムテープで固定するなどして、足を引っ掛けないように注意します。
部屋の入口に大きな段差がある場合は、板を取り付けたりしてスロープ状にします。暗い場所には、足元を確認できる照明を取り付けます。
階段や通路、浴室には手すりをつけて歩きやすいようにします。体の片側に麻痺がある場合は、動く方の手がつかまりやすい位置に手すりをつけます。
今は少なくなってきましたが、トイレが和式の家もまだまだあります。和式は足腰に負担がかかり、介助も大変なので、できれば洋式に改修工事しておきたいところです。
その他、高さ調節やリクライニングが可能な介護用ベッドの導入も検討します。布団よりも介護者の負担が軽くなり、移動が楽になるメリットがあります。
失認がある場合、表示が必要になる
失認とは、見聞きしたり触れたりしたものを認識できなくなる後遺症のことです。物の置き場所などを思い出しにくくなるので、日常的に使う物はわかりやすい場所に置いておきます。
また、引き出しや戸棚には「タオル」「歯ブラシ」「お皿」などと、中身を表示しておきましょう。文字が認識できないという場合は、絵や写真などを用意して、伝わりやすい表示の仕方を工夫します。
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