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同じ姿勢で寝たきりになっていると床ずれが起こる

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寝たきりの患者さんなど、長い時間同じ姿勢で寝ていると、ベッドと密着している部分の血行が悪くなって、組織に壊死が起こることがあります。これを「褥瘡(じょくそう)」または「床ずれ」といいます。

 

床ずれが起きやすい場所は、後頭部、肩甲骨部、肘、腰、膝、かかと、くるぶしなどの、皮膚が薄く骨が出っ張った部分です。

 

軽度のものは、皮膚が赤くなったり軽くただれて水ぶくれが起こる程度ですが、重症になると、皮膚が再生しにくくなったり、化膿したりします。さらに進行すると、皮膚の深い部分まで壊死が広がり、手術による治療が必要になります。

 

進行度による分類

 

床ずれの予防に関しては、全米褥瘡諮問委員会(National Pressure Ulcer Advisory Panel、NPUAP)の定めた病期(ステージ)分類であるNPUAP分類がよく用いられます。

 

DTI疑い DTI(deep tissue injury)とは深部組織損傷のこと。圧力またはせん断力によって生じる皮下軟部組織の損傷に起因する、限局性の紫または栗色の皮膚変色、または血疱
I度 傷害が表皮にとどまっている状態。局所の発赤(紅斑)、表皮剥離(糜爛)である
II度 傷害が真皮に及び、真皮までの皮膚欠損が生じている状態。水疱が形成されることもあり、壊死組織の付着や細菌感染が生じやすい
III度 皮下組織に達する欠損が生じている状態
IV度 筋肉や骨まで損傷された状態。骨が壊死して腐骨(ふこつ)となったり、骨髄炎や敗血症を併発することもある
U 深さ判定が不能な場合

 

予防はこまめに体位交換すること

 

床ずれは、ほとんどが長い時間同じ姿勢でいることが原因なので、こまめに(2時間ごと)に体位交換を行うのが有効です。とはいえ、体に麻痺があって自分では体位を変えることが難しい場合もあるので、看護師や介護者が注意を払わなければいけません。

 

皮膚を清潔に保つことも大切なので、入浴も推奨されます。入浴ができない場合はせめて足浴は行うようにし、肌の状態をチェックします。まれに低栄養が原因となっている場合があるので、管理栄養士などに相談することも重要です。

 

また、介護用品を使って負担を軽くする方法もあります。体圧分散寝具(メディカルムートン、ウレタンフォームマット、エアマット、ウォーターマット)などは、介護保険の「福祉用具」の対象となっているので、ケアマネジャーに相談して利用しましょう。

 

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