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食べものや飲みものを飲み込む機能が低下してしまう
飲食物をうまく飲み込めなくなることを「嚥下(えんげ)障害」といいます。のどの奥は、気管(空気の通り道)と食道(飲食物の通り道)で分かれています。正常な人は、ものを飲み込む際に、反射によって喉頭蓋が気管の入口をふさぐようになっているので、飲食物は食道に入って胃に送られます。
しかし、顎や喉などの筋肉をコントロールする神経が損なわれてしまうと、喉頭蓋の動きが悪くなって、気管を完全にふさぐことができなくなります。その結果、飲食物が気管にも入り込むようになって、嚥下障害が起こります。
嚥下障害は多くの患者さんにみられる症状で、急性期の患者さんの7割ほどに起こるといわれています。放っておいても自然に治ることがありますが、後遺症として残り続ける場合もあります。
高齢者は誤嚥性肺炎に注意
嚥下障害が起きると、食事の際にむせたり、よだれが増えたりますが、口の中の細菌が気道から肺に入り込んでしまうと「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」を引き起こすことがあります。
誤嚥性肺炎が起こりやすい人は、嚥下機能の低下した高齢者、脳梗塞の後遺症、寝たきりの患者さんなどです。発熱や咳、痰などの一般的な肺炎の症状とは違い、のどがゴロゴロする、元気がなく、食欲もない、といった症状があらわれるのが特徴です。
肺炎を防ぐためには、口の中を清潔に保つことが重要です。口腔ケアを徹底し、嚥下指導を受けます。治療は抗菌薬を用いた薬物療法が基本となります。
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