スポンサード リンク
行為や記憶に障害があらわれる
知的活動を受け持つ脳の領域が損傷を受けると、ものごとを理解する、判断するといった機能が低下し、行為や記憶に障害があらわれるようになります。これを「高次脳機能障害」といいます。失語症、失行、失認などがあります。
失行とは、日常的な動作ができなくなったり、ものの扱い方がわからなくなったりすることです。失認とは、見聞きしたり、触れたりしたものを認識できなくなることです。
どちらの場合も、感覚や運動機能に問題はありません。行動療法によるリハビリで、理解や認知の機能を改善していきます。
失行・失認の症状
運動失行 | 体をスムーズに動かせなくなり、日常的な動作がうまくできない |
---|---|
観念失行 | 歯ブラシに歯みがき粉をつけて歯を磨くといった行動の手順や、道具の使い方がわからない |
着衣失行 | 洋服の前後や上下を間違えるなど、衣服を適切に脱いだり着たりすることができない |
構成失行 | 図形を書く、積み木を積む、服をたたむなど、ものを形づくる行為ができない |
物体失認 | 知っているものを見ても、それが何かわからない。触れたり聞いたりすれば認識できる |
聴覚失認 | インターホンの呼び出し音など、よく知っている音を聞いても、何の音かわからない |
身体失認 | 体の一部の位置や感覚を認識することができない。体の片側にあらわれることが多い |
半側空間無視 | 視覚に問題はないのに、空間の左半分を認識できなくなる |
地誌的障害 | よく知っている場所で道に迷ったり、地図上で位置関係を把握できなくなる |
スポンサード リンク
失行・失認などの高次脳機能障害 | 脳卒中の後遺症関連エントリー
- 体の片側に現れる麻痺 | 脳卒中の後遺症
- 麻痺が起こるのはよく知られていますが、特徴的なのは、脳の損傷とは反対側に麻痺が現れるというものです。これは人間の体のしくみが関係しています。
- ことばが不自由になる言語障害 | 脳卒中の後遺症
- 後遺症によって言語障害が起こると、コミュニケーションを取りにくくなります。ただし、患者さんの知性や感情はそのまま保たれています。そのことを念頭に置いて接しましょう。
- ものが飲み込みにくくなる嚥下障害 | 脳卒中の後遺症
- 食べものや飲みものを飲み込む機能が低下することを「嚥下障害」といいます。脳卒中の急性期の半分以上の患者さんにみられます。高齢者は「誤嚥性肺炎」にも注意が必要です。
- うつ・幻覚などの精神症状 | 脳卒中の後遺症
- 脳卒中の後遺症は、精神症状としてあらわれることもあります。うつ、幻覚、不眠、感情失禁などが起こり、人の性格が変わったようにみえます。
- 排尿障害・視覚障害・疼痛性障害 | 脳卒中の後遺症
- 脳卒中の後遺症として、頻尿や失禁などの排尿障害もよくみられます。また、視野の片側が欠けたり、傷がないのに痛みやしびれを感じることがあります。
- 脳血管性認知症 | 脳卒中の後遺症
- 脳卒中から認知症を発症する場合があり、これを脳血管性認知症といいます。アルツハイマー型と違い、症状のあらわれ方や進み方にも違いがあります。
- 廃用症候群(生活不活発病) | 脳卒中の二次的な後遺症
- 安静状態が長い期間に渡って続くと、心身の機能低下が起こります。これを廃用症候群といいます。寝たきりの患者さんは特に注意が必要です。できることは自分でやって、体を動かしていくことが重要です。
- 褥瘡(じょくそう、床ずれ) | 脳卒中の二次的な後遺症
- 長い時間、同じ姿勢で寝ていると、体とベッドとの接触部分の血行が悪くなって、周辺組織が壊死を起こします。これを褥瘡(じょくそう)または床ずれといいます。介護者はこまめに体位を変えてあげましょう。