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脳の損傷とは反対側に麻痺があらわれる

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脳卒中の後遺症のひとつとしてよく知られている麻痺ですが、この場合は「片麻痺(かたまひ)」と呼ばれ、全身ではなく体の片側だけに症状が出るのが特徴です。片方だけに症状が出る理由は、右脳と左脳の運動野が、それぞれ体の片側ずつを受け持っているためです。

 

脳から脊髄へつながる神経は途中で交差しており、右脳は左半身、左脳は右半身の運動機能をコントロールしています。このため、脳が損傷を受けた部分とは反対側に麻痺があらわれます。

 

たとえば、右半身に麻痺が起こった場合、左脳の運動野あるいは、運動神経の経路が損傷を受けていることになります。

 

腕の重みで肩を亜脱臼したり、感覚障害が起こることも

 

麻痺といっても完全に動かなくなるというわけではなく、手足がほとんど動かないものから、指先だけ動かしにくいといった程度までさまざまです。

 

また、動かそうと思っていない部位が勝手に動くことがあり、これを「不随意運動」といいます。手足の指が曲がったままになる筋肉のこわばりも見られることがあります。さらに、症状が重い場合は、麻痺した腕の重みで肩を亜脱臼してしまうこともあります。

 

感覚神経と運動神経は、ほぼ同じ道筋でつながっているため、麻痺が起こっている部分に感覚障害が生じることも少なくありません。物に触れたことや温度に対する感覚が鈍くなったりします。

 

皮膚に感覚障害が起こると、熱湯や火の元への反応が遅れて、大きなやけどを負ってしまうことがあります。日常生活では十分に注意する必要があります。

 

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