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体を動かさないままでいると、さまざまな機能低下が起こる
人間の体は、長期間動かさずにいると、各器官が徐々に衰えていきます。体を使わなかったために起こる心身の機能低下を「廃用症候群(生活不活発病)」といいます。
また、寝たきりや行き過ぎた安静状態が長く続くことによって起こる筋肉や関節などが萎縮することを「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」といいます。
脳卒中が直接的な原因で起こる症状ではありませんが、病床で寝たきりの状態が多くなる脳卒中のような病気でよく見られます。とくに、急性期のリハビリが不十分だったり、その後のリハビリをきちんと行わなかった場合によく起こります。
廃用症候群を予防していくためには、普段から意識して体を動かしていくことが重要です。リハビリだけでは十分とはいえないので、家では家事をしたり、外に出て散歩したりして体を動かしましょう。
周りにいる家族は世話を焼きすぎないことにも気をつけましょう。何でも代わりにやってあげるのは、患者さんのためになるようにみえて、実は復帰までの遠回りをしていることになります。安全な環境が整っていれば、あとは静かに見守りましょう。
廃用症候群の症状
筋力の衰え | 高齢者は2,3日でも動かないと筋力が衰えやすい。寝たきりの人は特に注意が必要 |
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認知症の進行 | 体を動かしたり人と接する刺激が少ないと、認知症が進みやすい |
関節がこわばる | 関節が曲がったまま固くなり、体を動かしにくくなる |
骨がもろくなる | 運動による負荷がかからないと骨はもろくなって、骨粗しょう症が進行する |
立ちくらみ | 横になっている時間が長いと、立ちくらみやめまいを起こしやすい |
その他 | 心肺機能の低下、尿路結石、食欲不振、床ずれ、便秘など |
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廃用症候群(生活不活発病) | 脳卒中の二次的な後遺症関連エントリー
- 体の片側に現れる麻痺 | 脳卒中の後遺症
- 麻痺が起こるのはよく知られていますが、特徴的なのは、脳の損傷とは反対側に麻痺が現れるというものです。これは人間の体のしくみが関係しています。
- ことばが不自由になる言語障害 | 脳卒中の後遺症
- 後遺症によって言語障害が起こると、コミュニケーションを取りにくくなります。ただし、患者さんの知性や感情はそのまま保たれています。そのことを念頭に置いて接しましょう。
- ものが飲み込みにくくなる嚥下障害 | 脳卒中の後遺症
- 食べものや飲みものを飲み込む機能が低下することを「嚥下障害」といいます。脳卒中の急性期の半分以上の患者さんにみられます。高齢者は「誤嚥性肺炎」にも注意が必要です。
- 失行・失認などの高次脳機能障害 | 脳卒中の後遺症
- 脳が損傷することにより、物事を理解したり、判断するといった機能が低下します。これを高次脳機能障害といいます。失行・失認・失語症などがみられます。
- うつ・幻覚などの精神症状 | 脳卒中の後遺症
- 脳卒中の後遺症は、精神症状としてあらわれることもあります。うつ、幻覚、不眠、感情失禁などが起こり、人の性格が変わったようにみえます。
- 排尿障害・視覚障害・疼痛性障害 | 脳卒中の後遺症
- 脳卒中の後遺症として、頻尿や失禁などの排尿障害もよくみられます。また、視野の片側が欠けたり、傷がないのに痛みやしびれを感じることがあります。
- 脳血管性認知症 | 脳卒中の後遺症
- 脳卒中から認知症を発症する場合があり、これを脳血管性認知症といいます。アルツハイマー型と違い、症状のあらわれ方や進み方にも違いがあります。
- 褥瘡(じょくそう、床ずれ) | 脳卒中の二次的な後遺症
- 長い時間、同じ姿勢で寝ていると、体とベッドとの接触部分の血行が悪くなって、周辺組織が壊死を起こします。これを褥瘡(じょくそう)または床ずれといいます。介護者はこまめに体位を変えてあげましょう。