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子宮体癌のホルモン療法
子宮体がんでは、次のような場合に限りホルモン療法が行われることがあります。
- 子宮体がんがまだ0期である場合
- がんがまだ子宮内膜にとどまっているTa期の場合
- 進行した子宮体がんで抗がん剤治療ができない場合
- 妊娠・出産を強く希望している場合
とくに、将来的に出産を希望している人にとってはメリットです。子宮体がんの一般的な治療法は、子宮を摘出する(子宮全摘出術)方法なので、妊娠や出産が不可能になるためです。近年では、若年の患者さんでホルモン療法を希望するケースも増えています。
ただし、安全性や治癒率に関しては、子宮全摘出術のほうが優れているという事実があります。ホルモン療法では十分な効果が得られずに、その間にがんが進行してしまうこともあります。
ホルモン療法を受けてみても、その後の検査で十分な効果が得られていないことが分かったら、中止をしなければならない場合もあります。
ホルモン療法の具体的な方法
子宮体がんの発生には。子宮内膜を増殖させるエストロゲンと、増殖を抑えるプロゲステロンのバランスが大きく影響しています。プロゲステロンが不足すると、子宮内膜がどんどん増殖していくのです。
そこで、プロゲステロンの作用をもったメドロキシプロゲステロン酢酸エステルという薬を飲んでいきます。この薬を3〜6ヶ月の長期間にわたって毎日服用していきます。
このホルモン療法には、子宮内膜をすべて掻き出す「子宮内膜前面掻爬(そうは)」という手術と組み合わせるのが一般的です。全身麻酔をして数日間の入院が必要になります。
掻き出した内膜を観察すると、正確に病理診断を行うことができます。
ホルモン療法の副作用に注意
発症率は低いですが、ホルモン療法を行う場合は、血液が固まりやすくなって血栓(血液のかたまり)ができる「血栓症」という副作用が起こることがあります。
血栓症によって、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓などが引き起こされる可能性があるため、慎重に対処していかなければなりません。血栓症の予防には、血液を固まりにくくする薬を併用することがあります。
また、次のような人はホルモン療法が適用されません。
- 何らかの手術を受けて1週間以内の人
- 心臓病、肝臓病、腎臓病の人
- 脳梗塞、心筋梗塞などの血栓が原因の病気を持つ人
- 動脈硬化のある人
- ステロイドホルモンで治療を受けている人
- 高血圧や糖尿病の人(前もって医師に申告すること)
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