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リンパ節郭清
子宮体がんや子宮頸がんの手術では、がんの発生した病巣といっしょに、所属したリンパ節を切除する手術がよく行われます。これを専門的には「リンパ節郭清」と呼びます。
リンパ節とは何か
そもそもリンパ節とは一体何なのでしょうか?そしてどのような働きをしているのでしょうか?
私たちの体の中には動脈や静脈がはりめぐらされていますが、リンパ管というものも存在しています。毛細血管から組織液の中にしみ出した余分な液体は、リンパ管を通して集められ、血液の中に回収されています。
このリンパ管にはリンパ液という体液が循環しています。リンパ液の成分は血漿とほとんど同じで、最後には心臓に戻っていきます。
そして、リンパ管のところどころには、リンパ節という球状の関所のような場所があります。リンパ節は、股のつけ根や腕のつけ根などに多く集中しています。私たちが傷を作ったときに、生体内に侵入してきた細菌や有害物質などを血液の流れに入れないように、フィルターの役目を果たしているのです。
また、がん細胞を破壊させる物質も備わっています。体内から流れてきたがん細胞を死滅させる場所でもあります。
リンパ節はがんが増殖転移しやすい
しかし、いつもがん細胞が破壊できるわけではありません。破壊できなかったがん細胞がリンパ節に定着して、そこで増殖してしまうことがあります。これがよくいわれる「リンパ節転移」です。
リンパ節にがんが転移してしまうと、リンパ液の流れに乗ってがんが全身に広がる可能性があるのです。そこで、がん細胞が転移している可能性のあるリンパ節を摘出する手術が行われるのです(リンパ節郭清)。
手術後の治療方針の決定に影響
子宮体がんや子宮頸がんの場合は、骨盤リンパ節郭清、傍大動脈リンパ節郭清が行われます。
リンパ節の周囲には、太い血管や神経が走っているため、慎重に摘出が行われます。担当医も高い技術が要求されます。
また、リンパ節郭清を行うと水分の通り道がなくなるため、それが溜まって足がむくむことがあります。(リンパ浮腫)
このような副作用に注意しながら、手術後の治療方針を決定していきます。
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