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子宮頸がんの治療の流れ

ここでは子宮頸がんのステージ(病期)ごとの治療について紹介しています。

 

子宮頸がんの初期の治療は、子宮体がんと同じように手術が中心となります。ただ、進行期に入ると放射線療法が主体となります。子宮頸がんには放射線療法がよく効くことがわかっています。

 

0期の治療

 

0期はがんが上皮内にとどまっている状態で、転移の心配はありません。局所療法で対処することができます。

 

  • 妊娠・出産を希望する場合・・・円錐切除術が適用されます。腟のほうから子宮頸部を円錐状に切り取る方法で、子宮は残します。
  • 妊娠・出産を希望しない場合・・・単純子宮全摘出術が適用されます。子宮を全部摘出していく手術です。

 

また、最近では「光線力学的治療(PDT)」も行われるようになりました。PDTは、光感受性物質を静脈に注射して、がん細胞に取り込まれる性質を利用して、特殊なレーザーを照射してがんを消滅させる方法です。

 

出血が少なく、子宮頸部を摘出する必要がないというメリットがあります。ただし、治療後2週間ほどは、暗室での入院生活が必要になります。

 

T期の治療

 

T期では進行度によって治療法が異なってきます。

 

  • 浸潤の深さが3mm以内(Ta1期)の場合・・・妊娠を希望するのであれば、円錐切除術が適用されます。
  • 円錐切除術ができない場合・・・がんが頸管の奥のほうにできていたり、子宮筋腫で腟の奥が見えない場合は、単純子宮全摘出術が適用されます。出産を希望しない人も対象となります。
  • 浸潤の深さが3〜5mm以内(Ta2期)の場合・・・子宮からリンパ管を経由してがんが広がっている可能性があります。円錐切除術による診断のあと、準広汎子宮全摘出術を行います。また、リンパ節転移のおそれもあるため、骨盤リンパ節郭清を行うこともあります。
  • 浸潤が深くなっている(Tb期)場合・・・子宮を広範囲で摘出する広汎子宮全摘出術が適用されます。卵巣や卵管の切除も行われることがあります。また、骨盤リンパ節転移が認められる場合は、放射線療法が適用されることもあります。
  • 腫瘍が4pを超える(Tb2期)場合・・・Tb期での治療に加えて、同時化学放射線療法も視野に入れます。

 

U期の治療

 

U期は、がんが子宮頸部を越えて周囲に広がっている状態です。広汎子宮全摘出術や骨盤リンパ節郭清、付属器切除術が行われます。卵巣、卵管、子宮を支える靭帯などを広く切除していきます。

 

再発のリスクが高いと診断された場合は、放射線療法や化学療法を追加することもあります。Ub期では同時化学放射線療法も選ばれます。

 

V期の治療

 

V期では、がんが骨盤壁や腟壁下部まで浸潤している状態のため、手術で治療することはできなくなります。放射線治療をメインに、抗がん剤を使った化学療法を行うのが通常です。

 

W期の治療

 

肺や肝臓に転移しているW期までくると、同時化学放射線療法が中心となります。患者さんのQOL(生活の質)を高めるために、痛みを少しでもやわらげる緩和ケアも行われます。

 

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