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脳動静脈奇形の原因、症状、治療法
脳動静脈奇形とはどのような病気か
脳動静脈奇形とは、脳の中の異常な動脈と静脈が、毛細血管を通さずにつながっている病気をいいます。先天的な血管の奇形が原因で引き起こされます。
異常な動脈と静脈の血管塊を「ナイダス」といいます。ナイダスは胎児の時期で脳血管が発生するときに生じます。ナイダスの部分の血管壁は、正常な血管に比べて薄くて弱く、血流も異常に速いという特徴があります。このため、脳出血やくも膜下出血を引き起こしやすくなる危険性が高まります。
脳動静脈奇形の症状
脳動静脈奇形は、10〜30歳の若年者の脳出血やくも膜下出血の発症をきっかけとして発見されるケースがほとんどです。まれに人間ドックで見つかる場合もあります。
病変のできた部位によりあらわれる症状は異なりますが、激しい頭痛、悪心、嘔吐などがあり、重症化すると意識障害、言語障害、片マヒなどを伴います。
また、栄養が毛細血管を通らずにナイダスを素通りすることで、脳細胞が障害を起こすことがあります。これは「盗血(とうけつ)現象」といいます。
発症の男女比は、男性が2に対して女性は1の割合となっています。女性の場合は、妊娠がきっかけで発見されるケースも多くなります。妊娠中は妊婦の血圧も高めになるため、ナイダス部から出血することもあります。
脳動静脈奇形の診断、治療
脳動静脈奇形の診断は、MRI検査でまず調べて、脳血管造影で確定診断をしていきます。
脳動静脈奇形の治療は、血管内手術による塞栓術、ガンマナイフによる定位的放射線治療などがあり、病巣の状態によって組み合わせていきます。
開頭して行う脳動静脈奇形摘出術もありますが、患者の負担や安全性を考慮して行われます。
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