ストレスコントロールで発作予防
ストレスが発作を引き起こすメカニズム
ぜんそくの要因のひとつにストレスがあり、発作を起こした人のなかには、直前までストレスを抱えていたというケースもみられます。
ストレスには、仕事上のトラブル、発作への不安、対人関係などさまざまあります。
強いストレスを感じることで、自律神経が乱れると、副交感神経が優位になり、アセチルコリンが放出されて抵抗力が弱まります。すると、気道が収縮して発作が起こりやすくなります。
また、ヒスタミンと呼ばれる化学伝達物質が放出されると、咳や痰が出やすくなり、気道の粘膜が刺激を受けるようになります。
さらに、アレルギー反応に関係するlgE抗体の産生が促進されて、気道の過敏性が高まってしまいます。
なかには自分でストレスに気づいていない人もいるので、まずは自分で心身の状態に気を配ることからはじめることが大切です。そして、ストレスにさらされた際は、薬で症状をコントロールできるようにしておきましょう。
好きなことをしてストレスを発散
好きなことに熱中している間は、発作が出にくいという特徴があります。
そのため、自分が夢中になれる趣味を楽しんだり、旅行に出かけてみると、うまくストレスが発散できます。ぜんそくの発症が怖くて家に閉じこもっているより、近所を散歩することが有効です。
また、肉体的な疲れや過労がストレスの原因となっていることもあるので、十分に休息をとることも必要です。
職業・年代別の要注意ストレス
サラリーマン
- 職場での人間関係
- 満員電車の通勤ストレス
- 残業、休日出勤などの長時間勤務
サラリーマンの場合は、少々疲れがあるときでも無理をしがちになります。忙しくて薬の服用を怠ることもあるので注意しましょう。
対処法は、我慢せずに体調が悪いときは早めに病院にいったり、ぜんそくであることを職場の人に伝えておくこと、などがあります。
主婦
- 夫への不満
- 家事・育児の負担
- 親の介護
主婦の場合は、家事や育児などの重労働によるストレスや、掃除の際に、ダニやほこりなどのアレルゲンを吸い込んでしまうことも発作の原因になります。また、親戚の付き合いや親の介護などが加わると、大きな負担となってしまいます。
対処法には、夫や子どもに家事の分担を頼んだり、趣味などを見つけて適度にストレスを発散することなどがあります。
子ども
- 学校のクラスでの人間関係
- 苦手な運動や勉強がある
- 塾や習い事などのストレス
子どもの場合は、クラスの人間関係で悩むことがあります。いじめなどがある場合は、とくに大きなストレスを感じてしまいます。また、苦手な科目の授業があるとストレスになります。
対処法には、食事・睡眠時間を守らせて規則正しい生活をさせたり、様子がおかしいときには保護者がよく観察してあげることが大切です。
高齢者
- 同居家族との人間関係
- 老後の趣味がない
- 病気や健康面への不安
高齢者の場合は、高血圧や糖尿病などの喘息以外の病気を合併していることがあるため、精神的に不安になりやすいといえます。また、仕事を退職して、打ち込める趣味や楽しみがない場合もストレスとなります。
対処法は、趣味の集まりや老人クラブなどに参加して、社会とのつながりをもつように心がけたり、軽い散歩や体操をして体力の低下を防ぐことがあげられます。
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