血液検査(肝機能・腎機能)について

血液検査の項目や種類

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腎機能が低下すると、血液中の老廃物などが排出されなくなって全身をまわるようになるので、各臓器に障害が発生するようになります。

 

また、がんなどの生活習慣病にかかった臓器の細胞からは、特有の物質が血液中に放出されるようになります。

 

このようなことから、血液中に含まれる成分を調べれば、腎臓などの臓器の健康状態を知ることができるようになります。血液検査は大きく分けて次の2種類があります。

 

血液一般検査 赤血球、白血球、血小板などの血球成分を調べる検査です。からだの健康状態や病気の進行状態を知ることができます。
末梢血検査、血液凝固検査、赤沈検査があります。
血液生化学検査 血液を血球と血清(血漿)に分離して、血清の中の物質を分析する検査です。血清の中のたんぱく質、尿素、窒素、脂肪、クレアチン、ブドウ糖などを分析して、肝臓や腎臓などの状態を調べます。

 

ほかには次のような検査があります。

 

免疫学的検査

 

血液中の抗体などを調べる検査です。糸球体腎炎の検査などに用いられています。次の2種類があります。

 

血清補体価

体内に病原菌が侵入してくると、抗体をつくって抗原を攻撃しようとしますが、このときに血清中にある補体(ほたい)というたんぱく質が活性化します。

 

抗原抗体反応が起こっているときには、補体の消費は激しくなるため、補体価は低くなります。これを調べることで、腎臓の免疫反応の状態がわかります。

 

免疫グロブリン量

免疫グロブリン量を調べることで、さまざまな腎臓病について調べることができます。IgA腎症の患者の約半数にはIgA免疫グロブリンの増加がみられ、ネフローゼ症候群の患者には免疫グロブリンは減少することがわかっています。

 

また、膠原病の場合は、免疫グロブリン量が異常に多いことがあります。

 

ホルモン検査

 

ホルモンの状態を調べることで腎臓の働きを知ることができます。糖尿病に関連するインスリン、高血圧の原因となるレニン活性やアルドステロンなどを調べていきます。

 

血液ガス検査

 

腎不全など危険な状態になっているときに行われる検査です。血液中の酸素、二酸化炭素、pHなどを調べます。

 

 
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