慢性腎臓病のステージ分類

5段階のステージで分類

慢性腎臓病と診断するための重要な要素には、たんぱく尿糸球体濾過量(GFR)があります。

 

このうち糸球体濾過量(GFR)というのは、腎臓のすべての糸球体が一定時間内にどれだけの血液を濾過するかを調べた数値です。

 

2008年3月に日本腎臓学会は、GFRの推算式を修正しました。GFRが60ml/分/1.73u以下であれば、慢性腎臓病(CKD)と診断されます。

 

【慢性腎臓病(CKD)のステージ】

 

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表のように、慢性腎臓病のステージ(病期)は5段階に分けられています。各ステージは、腎機能の評価基準である糸球体濾過量(GFR)を15、または30の倍数で区切っています。

 

腎機能が衰えていくと、糸球体濾過量も減少していくことがわかります。

 

慢性腎臓病のハイリスク群

 

腎機能低下の最も大きな要因は加齢ですが、それ以外にもさまざまなリスクファクターがあります。

 

表のステージ0に「ハイリスク群」とありますが、これには次のような人々を指しています。

  • 慢性腎臓病の家族歴がある
  • 過去の検診における尿異常、腎機能異常、腎形態異常
  • 脂質代謝異常症
  • 高尿酸血症
  • 非ステロイド抗炎症薬などの常用
  • 急性腎不全の既往
  • 高血圧
  • 耐糖能異常や糖尿病
  • 肥満およびメタボリックシンドローム
  • 膠原病
  • 感染症
  • 尿路結石 など

(出典 日本腎臓学会のCKD診療ガイドライン)

 

このような人は、CKDの発症前から持病の治療や生活習慣の改善を行う必要があります。

 

 
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慢性腎臓病のステージ(病期)分類関連エントリー

慢性腎臓病(CKD)の定義と診断基準
これまでは、慢性に進行する腎臓の疾患は種類が多いためわかりにくいとされてきました。そこで生まれたのが、腎臓病をステージ別に治療するための「慢性腎臓病」という定義です。慢性腎臓病の患者はこれからも増えると予想されます。
慢性腎臓病の症状と経過
慢性腎臓病は、自覚症状に乏しい病気です。進行した症状には、めまい、だるさ、貧血、むくみ、頭痛などがあります。さらに病状が進行すると、最後には末期腎不全に至ります。
慢性腎臓病の検査
慢性腎臓病の早期発見はなかなかむずかしいですが、定期的に尿検査と血液検査を受けることで見つかりやすくなります。最低でも年に1回、リスクがある人は年に2回検査を受けておくと安心です。
慢性腎臓病の治療の2大目標
慢性腎臓病の治療は、末期腎不全と心血管疾患の発症を防いで、進行を抑えることを目的として行われています。具体的な治療には、食事指導や高血圧指導、生活習慣の改善があります。
慢性腎臓病の生活と食事
肥満、喫煙、ストレスなどの生活習慣は、慢性腎臓病の発症に大きく関係しています。とくに食事に関しては、塩分やたんぱく質の制限が必要になります。
慢性腎臓病の薬
慢性腎臓病の治療に使う薬について解説しています。多くの場合、病気の原因となっている高血圧を改善するために降圧薬が使用されます。